2016年3月30日水曜日

法の階層


法情報検索 各論 1 法令検索 5

今回は
法令等の階層についてお話します。

法令の階層について図で表しますと
このようになります。



例えば
『 所得税法 』 でいうと
まず
憲法 30条で 納税の義務
同84条で 租税法律主義
定めています。

『 租税法律主義 』 を受けて
法律を定めます。
法律 の中でも階層があります。
図 ( 税法の階層 ) で表しますと
このようになります。



税法の場合
税目ごとに単独で定められていますが
各税目に共通する事項を
『 国税通則法 』 で定めています。

国税通則法の上位には
行政手続法, 行政不服審査法
行政事件訴訟法
といった
『 行政法関連 』 の規定があり

それら
行政法関連を一般法
国税通則法を特別法とする
関係になっています。

国税通則法の下には
所得税法などの
税目ごとに課税要件を定めた
実体法が規定されています。

図の右側の
『 租税特別措置法 』 とは
税法の場合,本法とは異なり
その時の経済状況などから
政策判断し,時限的に制定された
課税を修正した特別法の集まりです。

税法は
すぐに変わるので難しい
との声を聞いたことがありますが
改正の多くは
この 『 租税特別措置法 』 です。

また
図には記載していませんが

課税要件を定めた
所得税法などの実体法の他に
徴収手続きを定める
国税徴収法
税法違反に対する処罰を定める
国税犯則取締法 などがあります。


法律の下に
さらに詳細な規定や計算の詳細を定めた
政令 である
所得税法施行令
政令の下には
必要な手続きなどを定めた
省令
所得税法施行規則 があります。

法律から省令までが 「 法令 」 です。


通達
上級機関が下級機関に対して
その機関の所掌事務について
指揮するために発する命令です。
法令の運用に関し
解釈を統一化するためなどで
発せられます。
( 法令解釈通達 )


こちらは
一般的に公表されています。
実務での判断では
通達が基準となる場合が多いですが
法令ではないので
一般国民の権利義務について
直接,拘束はしません


条約 については
国家間の合意規範です。
憲法との優位性については
学説により見解が分かれます。
法律との関係については
国内法よりも優先されます。

ただし
税に例にした場合
租税条約 においての優先とは
国内法の効力の一部を減殺する
という意味です。
また
国内法で課税されないものを
租税条約で
課税することはできません。


会計検査院規則,人事院規則 は
役割の性質上,内閣からある程度
独立性を保障されているので
直接,政令は及びません。


外局規則 については
内閣府および各省は,その外局として
公正取引委員会 などの 委員会
国税庁 などの
置くことができます。

また
各委員会や各庁の長官は
別に法律の定めるところにより
政令及び省令以外の規則
その他の特別の命令 を
自ら発することができます。


議院規則,最高裁判所規則,条例 は
権力分立により
憲法が
議院や最高裁判所
および
地方公共団体に認めた
制定権です。
衆議院や参議院
会議の手続きや内部規律に関して
『 議院規則 』
最高裁判所
訴訟手続きや内部規律に関して
『 最高裁判所規則 』
それぞれ
自ら制定することができます

地方公共団体 が定める
条例規則
条例施行規則 の関係においては
規則下位法令 に当たります。

しかし
条例規則 には
各機関に専権事項 があります。
住民の権利義務に関する場合は
条例で定め
財務に関する場合は
規則で定められます。
そして
議会 による条例も
首長 が定める規則も
民主的に選挙された機関 により
作られるものですので
その点では 対等な関係 といえます。

また,
議院規則,最高裁判所規則,条例 と
( 地方公共団体が定める ) 規則

※ 法令の階層図で
茶色線右側 〈 矢印 〉

については
法令データ提供システムには
掲載されません。



先ほど説明した
通達 以外の
法令ではない規定 では
これらは
通達と同じく
一般の国民や住民が
遵守する必要はありません。

まず,
要綱,要領 について
要綱
事務手続きの取り扱いを
統一化する規定です。

例えば
助成金,補助金などを
出すために
公平に事務処理を行うために
要綱などを定めます。

要綱 は
「基準」,「方針」,「細目」などの
名称を用いられることがあります。

要領
さらに細かい事務手続きを定める
場合に用いられます。
要領 は
「事務手続」 などの名称を
用いられることがあります。

また
「要綱」,「要領」といった
発令形式はないため
一般的には
要綱は
「告示」か「訓令」として
制定します。


指針 ,ガイドライン についても
要綱,要領 と同様に
公務員が
事務処理を行う際の基準です。


訓令 は通達と同じく
上級機関が下級機関に対して
その機関の所掌事務について
指揮するために発する命令です。

通知と通達の違い については
通知 は命令できない相手に対して
「 技術的な助言 」 などを
伝えるものです。
つまり
「 従ってほしい内容 」 です。

国が通知を出す相手としては
地方公共団体や
事業者団体などがあります。
地方分権改革後は
国と地方公共団体とは
対等の関係になりましたので
「通達」から「通知」へと
改められました。


告示
国や地方公共団体の行政機関が
その意思を国民や住民に対して
官報 や 公報 により
事実を広く 公示
することです。

要綱や指針 など について
それを国民( 住民 ) に
知らせる必要がある場合には
告示化
します。
例えば
「常用漢字表」,
「生活保護基準」
などがあります。

法律に告示の根拠があるときには
政省令のように
国民の権利義務に関係する
場合があります。

例えば
JAS法に基づく
食品表示のルール などです。

要綱や指針などは
誰に対して向けられたものか
公務員内部に対しての
通達的 なものなのか
国民へのお知らせの
告示的 なものなのかを
見極める必要があります。


最後に
今日ご案内した
税法を勉強するに当たり
お役立ちサイトを
ご案内します。


① 国税庁 ホームページ
http://www.nta.go.jp/

● 税大講本
http://www.nta.go.jp/ntc/kouhon/index.htm
国税庁ホームページ
> 税務大学校
> 税大講本

▲ 税務大学校講本には
税法の基本的事項が
記載されています。
司法協会の講義案のように
無駄な記述がなく
淡々と書かれています。
そのため
読んでいて面白味は
ありませんが
各税法科目の入門書としては
必要かつ十分でしょう。
もちろん,無料で閲覧できます。


② 税務会計情報ねっ島 TabisLand - タビスランド:Tax and Accounting Business ISLAND
http://www.tabisland.ne.jp/index.htm

▲ 税務ソフト・会計ソフトの
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税務・会計・経営情報
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以上

読んでいただき,
ありがとうございました。

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