2016年7月7日木曜日

裁判と一般意味論


法科大学院生など
法曹を目指す方々は
努力が実って
弁護士,検察官または裁判官となり
何らかの裁判に関係するはずです。

そこで
こんなことを考えてみたいと
思います。

アルフレッド・コージブスキー
提唱した
『 一般意味論 』
おいて
次のような格言があります。

①・・・
地図は現地ではない。

②・・・
地図は現地のすべてを
表現していない。

③・・・
地図の地図を作ることができる。


地図や現地は例えなので
これらの単語を
次のように置き換えて
その意味を考えてみます。

現地 = 事実
地図 = 言葉

言葉は文字として
文書化もできますので
その意味も含めます。


まず

『 地図は現地ではない。』 です。

裁判で被告人に
死刑の判決が
言い渡されたとします。

法科大学院の授業では
要件事実論や事実認定論などで
勉強すると思いますが
裁判は
緻密で論理的かつ合理的に
構築された手続きになっています。

犯罪捜査モノのドラマ を観ていると
劇中に犯行のシーンが出ます。

あれは
『 神 』 の目線 です。
裁判官は 『 神 』ではなく人であり
事件当時の現場は
見ることができません。

起訴状や供述調書,
尋問や自白などの
文書や言葉によって
判断するしかないのです。

事実があったとして
死刑を言い渡したものの
その後に
そのような事実はなかったとして
冤罪になるケースもあります。


言葉(文書)は
事実とは限らないのです。



次に
『 地図は現地のすべてを
表現していない。』

については

地図は
紙などに書かれたときに
現地の空間に対する
においや音,温度などの
鋭敏な感覚から
感じ取られるものや
その他の
現地の多くの情報が失われるように
現実のものが
言葉化されることで
多くの事実が抜け落ちます。

まして
“ こいつが犯人 ” ありきの
バイアスのかかった
検察官の作成文書であったら
さらに真実は見えなくなります。

対人関係についても
『 あいつは変な奴だ。』
という人物評を聞いたので
そう思っていたが
実際に会ってみると
他人の評価と全く違っていた。
などということがあります。

これは
その人の全てが
わかるはずがありません
その人の全ての情報を
言葉に表すことは不可能です。

言葉に表すことができるのは
切り取った,わずかな部分でしか
ないのです。
それに加えて
ステレオタイプなどが入ってきて
さらに,事実をゆがめます。



『 地図の地図を
作ることができる。』

については
厚生労働省 の 村木厚子 女史 の
『 障害者郵便制度悪用事件 』 で
検察官の証拠改ざんがあったように
事実ではない
架空の文書(言葉)をもとに
文書(言葉)を作れば
実体のないモノができます。

コミュニティにおいても
ありもしない噂を立てて
それが伝播していき
その人の名誉や心に
傷を負わせたとしたら
これほど卑劣で
むごいことはありません。

村木女史の場合は
弁護士が敏腕であったこともあり
無罪となりました。
しかし
敏腕な弁護士も
『 神 』 ではない
ので
事実(現地)は
見ることはできません。
言葉によって立てられた論理を
巧みに崩しているにすぎません。

このように
言葉は事実でないものを
作り出すことができます。
そして
言葉の言葉が作り出され
それが勝手に動き出します。

すると
紛争を生み出し
戦争を起こすこともあります。

・ 満州事変の 『 柳条湖事件 』
・ ベトナム戦争の 『 トンキン湾事件 』
・ 『 大量破壊兵器 』 とイラク攻撃

など,歴史をみれば明白です。


過激な表現になりますが

『 言葉や論理で
人を殺すことができます。』


そうですよね
でっち上げで戦争を始めたり

事実でない言葉により
論理を立てて
死刑判決が出される場合も
ありますから。

これらを踏まえて
言葉は気を付けて使う
ということです。

特に
これから
法曹になろうとする方々は
民事,刑事に関係なく
『 言葉や論理で人の権利を奪い
剥ぐことができる。』

ということを
頭に入れておいてほしいと思います。


最後に
この 『 一般意味論 』
コミュニケーションの方法
NLP
(神経言語学的プログラミング)
という
心理療法 にも応用されています。

ここでは
それらについても解説されている
実用的な
『 選択理論心理学 』

本を1冊紹介します。


★ よりよく生きるための心理学
- 9つの心理学と選択理論 
( 静岡学術出版教養ブックス ) / 静岡学術出版



以上

読んでいただき
ありがとうございました。

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