法情報検索 各論 2 条約検索 1
条約データベースの活用方法
今回は
条約資料データのサイト を
ご案内します。
条約の検索は先出の
★ 条約データ検索 - 外務省
★ 条約 - 国会提出条約・法律案 - 外務省
他に
内閣法制局 の最近の法律・条約 からも
「 公布条約一覧 」( 条約名のみ )及び
「 提出条約一覧 」( 条約案と提出理由 )を
見ることができます。
★ 最近の法律・条約 - 内閣法制局
日本が未批准の国際条約 についての
検索については
検索サイトではありませんが
2013年3月に
国立国会図書館調査及び立法考査局 が
作成した
2013年1月現在の
日本が未批准の国際条約 について
条約発効日,締約国数,
英文/邦訳テキストの出典,
未批准の理由等 が記載されている
資料があります。
★ わが国が未批准の国際条約一覧 - PDF
条約データベースの使用にあたり
知っておかなければならない知識として
次のような質問がよくあります。
「 ワシントン条約 」 や
「 ラムサール条約 」 と
入力しても
該当なしとなるのはなぜか?
条約名を入力するボックスには
条約名
入力したキーワードを名称
または略称に含む条約を検索します。
とあります。
これは
「 ワシントン条約 」 や
「 ラムサール条約 」 は
正式名称でも略称でもなく
通称 ですのでヒットしません。
Googleなどで
ワシントン条約 を検索すれば
正式名称が出ます。
それをコピーして
条約データ検索で条約名を入力すると
該当の条約が出るので
条約名のリンクから全文を
見ることができます。
~ 先頭へ ~
こうした方法もありますが
この外務省のホームページをはじめ
各行政機関のホームページの右上に
検索窓 があります。
行政機関のホームページは
入り組んでいるので
この
検索窓に目的の語句を入力 すれば
その入力語句に関連する事項が
重み順 に
リストアップされますので便利です。
外務省の場合は
先ほどのように通称名を入力すると
大抵トップに
その条約の締結経緯や
目的のページが出ます。
そのページから
全文リンクがあるものもありますが
リンクのないものは
正式名称をコピーして
条約データベース の
検索ボックスに貼付けて
本文を確認しなければなりません。
~ 先頭へ ~
簡易な検索方法としては
Google で
ワシントン条約 全文 go.jp と
入力すると
ワシントン条約 全文 に関連する
日本の政府機関のサイトが出ます。
go.jp は
日本国の政府機関,独立行政法人,
特殊法人のドメインなので
そこのサイトに絞ることができます。
ただしこの場合も
うまくヒットしなければ
条約データベース からの
検索法が無難でしょう。
条約データベースの収録範囲 は
官報および外務省が
暦年発行している条約集をもとに
現行の国会承認条約等 を
掲載したものなので
『 行政取極 』 については
カバーしていません。
そこで先程紹介した
検索窓を使うと
『 行政取極 』 についての
概要と本文 を
検索することができます。
例えば
『 日印防衛装備品・技術移転協定 』
および
『 日印秘密軍事情報保護協定 』の
本文 について調べたい場合
条約データベース で検索しても
ヒットしません。
そこで
右上の検索窓にそれらの語句 を
入力すると
平成27年12月12日の報道発表として
それらの
概要 と協定の 本文 を
PDFで見ることができます。
また先程の
Google から
go.jp で絞っての
検索方法もあります。
~ 先頭へ ~
これらを官報で検索してみると
平成28年3月28日月曜日に
『 日印防衛装備品・技術移転協定 』は
本紙 第6743号 外務省告示 第81号
『 日印秘密軍事情報保護協定 』
については
号外 第292号 外務省告示 第447号 に
それぞれ告示されています。
これらは
外務省告示 によるものですから,
『 行政取極 』 です。
従って
「 条約データベース 」 に
収録はありません。
このように外務省に限らず
各省庁のデータベースにおいても
所管法令・通達などが見当たらない
といった場合には
『 検索窓 』 による検索方法や
Google から
go.jp で絞る方法で
効率よく検索しましょう。
~ 先頭へ ~
以上
読んでいただき
ありがとうございました。
2022年9月11日日曜日
2022年9月10日土曜日
条約とは何か
国会承認条約と行政取極
条約の概要
~ 主要リンク ~
★ 条約データ検索 - 外務省
★ 国会提出条約・法律案 - 条約
条約 とは
国の間において
文書の形式により締結され
国際法によって規律される
国際的な合意 です。
( ウィーン条約法条約2条1項a号 )
「 条約 」 という名称に限らず
憲章,協約,協定,議定書,規約,
規程,取極 などの名称のものを
含みますが
名称が異なるだけで
法的効力に差はありません。
条約は 広い意味で
国家間における法的な合意文書 を
言います。
条約が形成されるため条件は
4つあります。
1 国家 または 国際機構 といった
当事者に条約締結能力があること。
2 国家元首,政府の長,大臣,
外交使節団など,国内法上
条約締結者に正式な資格があること。
3 条約締結国間に合意があること。
錯誤や脅迫などといった
状況下でないこと。
4 条約の目的と内容が
正当であること。
国際法に準拠していること。
~ 先頭へ ~
条約の締結プロセス は
次の通りです。
交渉 > 採択 > 確定
> 同意の表明 > 同意の承認
> 文書の交換・寄託 > 発行
◆ 採択
条約の形式と内容を
定めるための手続きです。
全会一致または多数決によります。
◆ 確定
条約が規定する内容を
最終的なものとして
決定することです。
これ以降の条約文の修正は
認められません。
◆ 同意の表明
条約内容に対する
同意の意思表明を表します。
同意の表明は署名が一般的です。
署名の場合
条約に拘束されることを
示すものではありません。
ただし
条約に「 略式条約 」 に
関する規定がある場合は
この時点で成立 します。
( ウィーン条約法条約12条 )
◆ 同意の承認
( 国会承認条約の場合は国会提出 )
〈 憲法 第73条3項 〉
同意の承認は
国家が条約に拘束されることを
国内で同意することの確認です。
同意の承認には
批准,受諾,加入の方法が
あります。
このうち 批准 は
署名された条約に拘束されることを
国家が最終的に決定するものです。
批准の手続き は
議会の承認
( 憲法 第73条3項 )
天皇による認証
( 憲法 第7条8号 )を経る
というように厳格に行われます。
そのため
人権や核に関するものなど
重要な条約は
批准によらなければならない
としているものが多くあります。
◆ 文書( 批准書など )の
交換( 二国間条約 )・
寄託( 多国間条約 )
国際的に同意することへの
最終的な意思表示です。
( ウィーン条約法条約16条 )
◆ 発効
当事国間において
条約内容に法的拘束力が生じます。
一般的な条約の発効時点は
次の通りです。
◇ 二国間条約においては
文書の交換等
多国間条約においては
文書の寄託の時。
( ウィーン条約法条約16条 )
◇ 別段定めや合意がない時は
国家の合意が
確定的に付与された時。
( ウィーン条約法条約24条 )
~ 先頭へ ~
広義の意味での 条約 は
国際約束 といわれ
「 憲法 第73条3項 」 により
国会の承認 を必要とする
『 国会承認条約 』 と
「 憲法 第73条2項 」により
外交関係処理として
内閣の権限内として締結 する
『 行政取極 』 に
大別されます。
『 国会承認条約 』 と
『 行政取極 』 の
区別の基準として
大平正芳 外務大臣の答弁
(昭和49年当時)があります。
この答弁は
『 大平三原則 』 と
称されています。
この原則によると
国会承認を得なければならない条約 とは
次の 3つのカテゴリーを含むものです。
1 法律事項を含む条約
2 財政事項を含む条約
3 批准を発効要件とする
政治的に重要な条約
『 行政取極 』 は総称であり
「 取極 」,「 協定 」,
「 交換公文 」などといった
文書名なっています。
国会承認条約ではない
『 行政取極 』 は
公布されませんが
『 外務省告示 』 として
官報に掲載 されます。
ただし
外国語文は併載されません。
条約の附属書 については
官報には公布されません が
外務省Webサイト の
『 条約データ検索 』 から
検索すると
条約文が PDFデータで
入っているので
附属書を含めた全文を
見ることができます。
★ 条約データ検索 - 外務省
★ 条約 - 国会提出条約・法律案
~ 先頭へ ~
以上
読んでいただき
ありがとうございました。
~ 主要リンク ~
★ 条約データ検索 - 外務省
★ 国会提出条約・法律案 - 条約
条約 とは
国の間において
文書の形式により締結され
国際法によって規律される
国際的な合意 です。
( ウィーン条約法条約2条1項a号 )
「 条約 」 という名称に限らず
憲章,協約,協定,議定書,規約,
規程,取極 などの名称のものを
含みますが
名称が異なるだけで
法的効力に差はありません。
条約は 広い意味で
国家間における法的な合意文書 を
言います。
条約が形成されるため条件は
4つあります。
1 国家 または 国際機構 といった
当事者に条約締結能力があること。
2 国家元首,政府の長,大臣,
外交使節団など,国内法上
条約締結者に正式な資格があること。
3 条約締結国間に合意があること。
錯誤や脅迫などといった
状況下でないこと。
4 条約の目的と内容が
正当であること。
国際法に準拠していること。
~ 先頭へ ~
条約の締結プロセス は
次の通りです。
交渉 > 採択 > 確定
> 同意の表明 > 同意の承認
> 文書の交換・寄託 > 発行
◆ 採択
条約の形式と内容を
定めるための手続きです。
全会一致または多数決によります。
◆ 確定
条約が規定する内容を
最終的なものとして
決定することです。
これ以降の条約文の修正は
認められません。
◆ 同意の表明
条約内容に対する
同意の意思表明を表します。
同意の表明は署名が一般的です。
署名の場合
条約に拘束されることを
示すものではありません。
ただし
条約に「 略式条約 」 に
関する規定がある場合は
この時点で成立 します。
( ウィーン条約法条約12条 )
◆ 同意の承認
( 国会承認条約の場合は国会提出 )
〈 憲法 第73条3項 〉
同意の承認は
国家が条約に拘束されることを
国内で同意することの確認です。
同意の承認には
批准,受諾,加入の方法が
あります。
このうち 批准 は
署名された条約に拘束されることを
国家が最終的に決定するものです。
批准の手続き は
議会の承認
( 憲法 第73条3項 )
天皇による認証
( 憲法 第7条8号 )を経る
というように厳格に行われます。
そのため
人権や核に関するものなど
重要な条約は
批准によらなければならない
としているものが多くあります。
◆ 文書( 批准書など )の
交換( 二国間条約 )・
寄託( 多国間条約 )
国際的に同意することへの
最終的な意思表示です。
( ウィーン条約法条約16条 )
◆ 発効
当事国間において
条約内容に法的拘束力が生じます。
一般的な条約の発効時点は
次の通りです。
◇ 二国間条約においては
文書の交換等
多国間条約においては
文書の寄託の時。
( ウィーン条約法条約16条 )
◇ 別段定めや合意がない時は
国家の合意が
確定的に付与された時。
( ウィーン条約法条約24条 )
~ 先頭へ ~
広義の意味での 条約 は
国際約束 といわれ
「 憲法 第73条3項 」 により
国会の承認 を必要とする
『 国会承認条約 』 と
「 憲法 第73条2項 」により
外交関係処理として
内閣の権限内として締結 する
『 行政取極 』 に
大別されます。
『 国会承認条約 』 と
『 行政取極 』 の
区別の基準として
大平正芳 外務大臣の答弁
(昭和49年当時)があります。
この答弁は
『 大平三原則 』 と
称されています。
この原則によると
国会承認を得なければならない条約 とは
次の 3つのカテゴリーを含むものです。
1 法律事項を含む条約
2 財政事項を含む条約
3 批准を発効要件とする
政治的に重要な条約
『 行政取極 』 は総称であり
「 取極 」,「 協定 」,
「 交換公文 」などといった
文書名なっています。
国会承認条約ではない
『 行政取極 』 は
公布されませんが
『 外務省告示 』 として
官報に掲載 されます。
ただし
外国語文は併載されません。
条約の附属書 については
官報には公布されません が
外務省Webサイト の
『 条約データ検索 』 から
検索すると
条約文が PDFデータで
入っているので
附属書を含めた全文を
見ることができます。
★ 条約データ検索 - 外務省
★ 条約 - 国会提出条約・法律案
~ 先頭へ ~
以上
読んでいただき
ありがとうございました。