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2017年2月15日水曜日

雑誌の号数が抜けてる? 話


法情報検索 各論 4 文献 5

ジュリスト と 週刊東洋経済 の例

以前に
判例時報 と 判例評論 の回で
書きましたが
各出版社独自のルールで
雑誌に巻号が付されているので
非常にわかりづらいものもあります。


雑誌書架や書庫で
雑誌の号数が抜けている
場合があります。

除籍や紛失で
欠号の場合は納得がいくのですが

所蔵があるのに
見つけることができないと
フラストレーションが溜まるし
何より時間が無駄になります。

「 ○○号が抜けている 」 との指摘が
たびたびあるのが
法学系雑誌では
ジュリスト です。

例えば
ジュリスト
1471号 ~ 1480号 まで
書庫からの出納依頼を受けたが
1479号 が抜けていて見当たらない!
といったケースです。

結論からいうと
1479号
ジュリスト臨時増刊号 の
【 平成26年度 】重要判例解説

いわゆる 重判 です。

重判巻次
ジュリストの通号表示 なっています。

一方
ジュリスト増刊
固有のタイトルで刊行され
論究ジュリスト
法律学の争点シリーズ など
別の巻号表示 になっています。
また
判例百選 の場合も
ジュリスト臨時増刊 1964年10月号
「 刑法判例百選 」より後の刊行は
別冊ジュリスト として
刊行されており
月刊のジュリストとは
別の巻号表示 になっています

といったように
非常に混乱しますが…。


探しづらくなる要因の一つ には
各図書館でローカルルールがあり
受入や排架の方法,
OPAC( 利用者用検索機 )表示
などが異なるため
です。

一般的に大学図書館での
排架
ジュリストとは別に
重判,判例百選,論究ジュリスト など
シリーズごと にまとめられています。
一方で
OPAC表示
雑誌では通号表示のみ
なっていることが多いです。

また
これは公共図書館にありがちですが
ジュリスト は年間契約で
雑誌 として受入れているが
臨時増刊号は契約の対象外で
雑誌受入れしていない。
しかし
利用者からのリクエスト等で
重判 のみを 図書 として
受入れしている場合です。

この場合は
OPACで探しづらいことはもちろん
司書に尋ねても
「臨時増刊号は受入れていないので
 所蔵していません。」
との回答をされたことがあります。

確かに
この区の図書館で
所蔵しているはずだと思って
自分で調べると
同区内の他館で図書として
所蔵していました。

ということで
早速に取寄せの手続をしたところ
貸出もされていないのに
あまりにも来るのが遅いので
所蔵状態を調べたところ
ステイタスが所蔵のままだったので
手続きをした図書館へ
問い合わせてみたら
何と! 他区に取寄依頼中です
との回答を受けました。

オイオイと思いつつ・・・
まぁこんなもんだろうとも感じました。

教訓として
目的の資料がある場合は
所蔵館へ直接行くことにしています。
それから
調べものについては
調べる対象の分野の関連資料が多い
都立,県立図書館や国立国会図書館,
専門図書館を利用しています。

それが一番確実で無難でしょう!


ジュリスト 以外 でも
同様の問い合わせがあり
巻号の付け方が紛らわしい
雑誌はあります。

一例をあげると
週刊 東洋経済臨時増刊 です。
この臨時増刊は
DETA BOOKシリーズ と呼ばれ
株価総覧,日本の企業グループ,CSR企業総覧
など
といった
統計・総覧
形態もレギュラーの 週刊 東洋経済 とは異なり
事典のように分厚いものです。

図書館でも
週刊 東洋経済 と混配になっていることは
まずありません。
しかし
巻次週刊 東洋経済
通号 になっていますので
OPAC表示が巻号のみになっていると
まずわかりません。

公共図書館においても
ジュリスト のように
受入形態が異なることが多いので
同様の回答を受けたことがあります。

これらの問題は
利用者には全く非がありません。

そして
これらが問題となるよくあるケース
授業で配布された レジュメ
論文等参考文献
シリーズ名等の記載がなく
通号表示のみの記載
なっている場合です。


排架法や分類法,目録法
資料組織法
本来 資料へのアクセスを
容易にするための方法
ですが
そのルールに則ったら
かえって
わかりづらくなるというのであれば
本末転倒です。

図書館側
例えば
サインやガイドで導いたり
リストやパスファインダーなどを
作成する
といったように
プロの司書としての知恵を出し
サービス向上に努めるべきであると
思います。

では
そのようなサービスの
行き届かない図書館で
利用者が検索する方法 として
“ サービスの充実している ”
他の図書館の蔵書目録
出版社のWebサイト など から
複合的に検索 してみてください。


~ 参考資料 ~

東京都立図書館 - 蔵書検索
https://catalog.library.metro.tokyo.jp/winj/opac/search-detail.do?lang=ja

東京大学 - OPAC
https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_search/?lang=0

慶應義塾図書館 - 調べる・探す
http://www.mita.lib.keio.ac.jp/search/index.html

有斐閣 - 雑誌
http://www.yuhikaku.co.jp/magazines

東洋経済 - 統計・総覧
https://store.toyokeizai.net/databook/


以上
読んでいただき
ありがとうございました。