行政法基礎 b
行政法の構成 については
大まかにいうと
まずは 本則 があり
第1章には 総則 が規定され
それから 各則 へと入っていきます。
そして
本則の最後の章が 雑則 になっていて
本則を補充する規定になっています。
さらに必要に応じて
雑則の後には 罰則 が
規定される場合もあります。
これが 本則の構成 です。
本則 はその法律の本体的部分であり
実質的規定 が置かれています。
本則の後 には
附則 が規定されています。
附則は
本則を円滑に運用するための規定です。
附則は本則と分けられているので
通常は 附則 も本則と同様に
第1条から始まります。
ただし法律の中には
手形法 や 小切手法 など
附則規定が1条から始まらない
ものもあります。
行政法の一例として
災害救助法
(昭和22年 法律第118号)では
次のような構成になっています。
これらは 目次 で確認ができます。
災害救助法
(昭和22年 法律第118号)
目次
第1章 総則(第1条~第2条の3)
第2章 救助(第3条~第17条)
第3章 費用(第18条~第30条)
第4章 雑則(第31条)
第5章 罰則(第32条~第35条)
附則
附則の構成 については
法令の内容によって異なりますが
大方
次の順に並んでいます。
施行期日 ⇒ 法令の廃止
⇒ 経過措置 ⇒ 他法の一部改正
施行期日 については
法令は施行により効力を発生させます。
通常は
準備や周知のために
公布日からの期間が設けられています。
また
具体的な施行期日を含めた
その他の必要な経過措置を
政令に委任する場合 もあります。
立法にあたって
緊急の必要性 などにより
「この法律は
公布の日から施行する。」とした
即日施行 の場合もありますが
原則として国民に不利益を与える場合
特に刑罰を科する法令は
即日施行にはしないと
考えられています。
法令の廃止 についても
従前に効力を有していた
法令の効力が
消滅することになりますから
それについての準備や
周知が必要なため
こちらに規定しています。
経過措置 については
新法または改正法を
円滑に移行するための
措置といえます。
特に
社会生活や経済に
混乱を招かないように
徐々に
新しい法令に移行するための
措置については
「激変緩和措置」といい
経過措置によくある手法です。
昨今の
新型コロナウイルス感染症 の
予防接種 については
予防接種法 の
附則(平成25年3月30日 法律第8号)
第7条 の
「新型インフルエンザ等感染症に係る
定期の予防接種に関する特例」規定や
附則(令和4年12月9日 法律第96号)
第14条 の
「予防接種法の一部改正に伴う
経過措置」の規定から
新型コロナウイルス感染症について
今後このウイルスと感染に関しての
動向を判断しながら
対策を施していくため
経過観察中 であると言えます。
他法の一部改正 については
新法または改正法による制度が
既存の他の法令の制度と
相違する場合に
それらを整理するための措置です。
なお
行政手続法 や
会社法 の制定など
他の法令改正にも大きく関わるような
法律 については
附則も膨大になるため
別に「整備法」を設けて
ここに 経過措置 や
他の法令改正を規定しています。
(「行政手続法の施行に伴う
関係法律の整備等に関する法律」
(平成5年 法律第89号))
(「会社法の施行に伴う
関係法律の整備等に関する法律」
(平成17年 法律第87号))
~ 先頭へ ~
以上
読んでいただき
ありがとうございました。