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2016年10月21日金曜日

改憲論の効果


法律は抽象的に書かれているので
様々な解釈ができます。
上位の憲法は
もっと抽象的なので
さらに多様な解釈ができます。

改憲論の声が
上げられる昨今

マスコミで取り上げられるのは
いつも 憲法 第9条
ですよね。

なぜ
改憲論で問題になるのが
第9条のみで
他の規定は
問題にされないのかというと。

他の規定は
問題が起こった場合は
立法により
容易に解決を
図ることができると
考えられるからです。

それから
特にこの手の問題については
個人的思想や意見等を
それぞれ持っておられると
思いますので,
各人の見識に基づいて
ご判断されればよいと思います。


自衛隊の海外派遣・武器使用など
解釈論でそこまで可能ならば
別にわざわざ改憲する必要もなく
これからも今までのように
解釈で対応していけばよいのでは?

と,いうようになります。

また
内閣法制局
前に倣うことが慣例で無難ですし
それに
行政機関 ですから
立法府で決定されたものを
執行する機関なので
建前上率先して
改憲を唱えるはずがありません。

一方
改憲派の国会議員
立法府 に属しますので
第9条問題において
自衛隊の海外派遣・武器使用など
結論ありきの
苦しい解釈をするくらいなら
国民の合意を得て
改憲することが望ましい。
と,国会議員の職域を活かした
発言が出てきます。

司法 はというと
これは
国家統治の基本に関する
高度に政治性のあるものであり
司法が出る問題ではありません。

そうすると
改憲の是非 については
専門家にお任せ って
わけにはいかなくなるので
国民個人の判断が重大で
一人一人がしっかりした意見を
持つことが重要になります。


責任が重いですよね。


今の政権のことではありませんが
仮に
田中角栄,小泉純一郎 元首相のような
アジテーションに長けた
政治家が登場した場合
大衆は盲目的に
ついて行ってしまいます。


ヒトラー誕生のように
パワーはあるが
ひとつ間違えれば
国がとんでもない方向に
行ってしまう危険性があります。

今,田中角栄 元首相を
礼賛した本が
多く出版されていますが
今後
田中角栄的な政治家が
出てきたならば
また
マスコミは連日こぞって
引きずり下ろすでしょうね・・・。

小室直樹 先生 のように
ぶれなかった方 もおられますが。

テレビ,ラジオ,新聞や
ウェブサイトなどの各メディアは
マインドコントロールや
大衆煽動のツールにもなるし
教養を身につけるための
ツールにもなります。

両刃の剣 ということです。


それから
選挙権も18歳に引き下げらましたが
それにともない
学校教育の見直しも考えられますね。


ところで,
最近の安倍政権の情勢 をみると
今回
幹事長 に 二階俊博 氏
据えました。
これは,党内バランスを取り
対中問題を
安定させることなのでしょう。
それと,寝技もやるぞ
という,メッセージにもなるしね。

外交問題
アメリカが混乱しているうちに
対中,対露関係を
進展させたいでしょう。

また
野中広務 氏 の復党 により
二階俊博 幹事長 同様
海千山千の親中,ハト派の
重鎮の顔が見える
ことで
イメージ的に自民党・安倍内閣の
バランスがとれて
安定してきたようにも思えます。

つまり
外交について
政府と党の姿勢を
人事でメッセージを送っている
ということでしょう。

だから,中国はすぐに
今度の政府が
どう出て来るのかを探りに
尖閣諸島周辺に船を航行させて
試してきますよね。

このような
党と内閣の人事のバランスなどから
政権運営を見れば
安倍首相は
本気で今,改憲なんかするとは
思ってませんよ。

ただ
国民に対して,憲法に関心を向け
主権在民を問うた
とはいえるでしょう。


以上のような
動きから判断すれば

憲法改正をするしないにかかわらず
それを契機に
国民主権について
国民の政治的意思決定の重要性など
国民個人の政治への意識を高めることや
憲法,さらには教育問題
メディア・リテラシーなどに至るまで
色々なことを見直したり
問題提起したりして
国民一人一人が考えを深めることは
よいことだと思います。


最後に
今回のテーマに関連する
本を紹介します。


★ 比較のなかの日本国憲法 (岩波新書 黄版 95) / 岩波書店

★ 「主権者教育」を問う (岩波ブックレット) / 岩波書店

★ 国民代表の政治責任 (1977年) (岩波新書) / 岩波書店

★ 群衆心理 (講談社学術文庫) / 講談社

★ 公衆とその諸問題 - 現代政治の基礎 (ちくま学芸文庫) / 筑摩書房

★ たのしいプロパガンダ (イースト新書Q) / イースト・プレス

★ テレビ的教養 (日本の“現代”) / エヌティティ出版

★ 田中角栄の呪い - ”角栄”を殺すと 日本が死ぬ (カッパ・ビジネス) / 光文社


以上

読んでいただき,
ありがとうございました。