法情報検索 各論 3 判例 8
明治時代の法文は
カタカナ・文語体なので
読み慣れないとつらいですよね…。
もっとも六法のうち
憲法,刑事訴訟法,民法(家族法)は
戦後まもなく。
刑法,民事訴訟法は
21世紀を迎える少し前に。
それぞれ
平仮名・口語体(現代語)表記へと
改められましたが
民法(財産法)や商法は
近年までカタカナ・文語体でした。
◆ 憲法の現代語化
日本国憲法
(昭和21年11月3日公布
昭和22年5月3日施行)
◆ 民法の現代語化
民法の一部を改正する法律(家族法)
(昭和22年12月22日法律第222号)
民法の改正に伴う
関係法律の整理に関する法律(家族法)
(昭和22年12月22日法律第223号)
民法の一部を改正する法律(財産法)
(平成16年12月1日法律第147号)
◆ 刑法の現代語化
刑法の一部を改正する法律
(平成7年5月12日法律第91号)
◆ 商法・会社法・保険法の現代語化
会社法
(平成17年7月26日法律第86号)
会社法の施行に伴う
関係法律の整備等に関する法律
(平成17年7月26日法律第87号)
保険法
(平成20年6月6日法律第56号)
保険法の施行に伴う
関係法律の整備に関する法律
(平成20年6月6日法律第57号)
商法及び国際海上物品運送法の
一部を改正する法律
(平成30年5月25日法律第29号)
◆ 民事訴訟法の現代語化
民事訴訟法
(平成8年6月26日法律第109号)
民事訴訟法の施行に伴う
関係法律の整備に関する法律
(平成8年6月26日法律第110号)
◆ 刑事訴訟法の現代語化
刑事訴訟法
(昭和23年7月10日法律第131号)
研究等で
明治時代の法令や大審院の判例など
カタカナ・文語体の文献を
読むことに慣れている方々は
カタカナ・文語体のほうが
味があってよいと
言われる方もいると思いますが
そもそも法律は
その適用を受ける
国民のためにあるのであり
そのためには
できるだけ一般の国民に
わかりやすいものであるべきで
このような
片仮名・文語体の法律の存在は
問題があると
いわざるを得ないでしょう。
川崎政司
『法律の現代語化
- 求められる法文の民主化の努力』
「立法と調査」NO.189・1995年9月
『法制執務コラム-参議院法制局』より
とあるように
立法者側も
現代語化を進めているようです。
ちなみに
『法制執務コラム-参議院法制局』は
参議院法制局職員が執筆した記事
(記事内容は執筆当時のもの)を
『立法と調査』
(参議院事務局企画調整室/編)から
転載したもので
法令等に関するエピソードなどが
記載されていています。
また
原典の『立法と調査』 は
主要な政策課題や予算・税制の解説
国会に提出された法律案の紹介
国会ならではの情報や資料を駆使した
調査・研究の報告・論文を
掲載しています。
●『立法と調査』- 参議院 調査室作成資料
参議院トップ
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カタカナ書きの文が読みづらい
という方は
韋駄天-大審院判例簡易化ソフト
(名古屋大学)というソフトに
カタカナをひらがなにする。
濁点をつける。
句点・読点をつける。
旧字体を新字体にする。
『難読字に読み仮名を付ける』の欄に
チェックを付けて実行すると
難読字に読み仮名を付けることができる。
読み仮名の付いた語に
マウス・カーソルを当てると
意味が表示される。
という機能があります。
「国立公文書館デジタルアーカイブ」や
「国立国会図書館デジタルコレクション」は
写真なので変換ができませんが
HTML等で書かれていれば
コピペして実行すれば変換ができます。
ただし
文語体が口語体の現代語に
翻訳されるわけではありませんので
ご注意ください。
以上
読んでいただき
ありがとうございました。