法情報検索 各論 4 文献 4
判タ とは 判例タイムズ
曹時 とは 法曹時報
の略称です。
これらの略称は
法律関係に携わっている方ならば
周知のところですが
図書館や書店で尋ねるとき
重判 はどこにありますか
などというと
法律に疎いスタッフの場合
検索機でそのまま
重判 と入力して検索をかけ
“ ありません ” との
回答を受けることがあります。
まあこれは
一種の業界用語でして
それぞれの業界では
通っている用語ですが
他の業界では通じないし
また
同じ言葉でも
違った意味で捉えられかねません。
法律関係の場合
法令名においては
正式名称が長いものも多く
例えば
私的独占の禁止
及び公正取引の確保に関する法律
ならば
独禁法 と略して言います。
マイナンバー法 を
行政手続における
特定の個人を識別するための
番号の利用等に関する法律
というように
いちいち正式名称で言っていたら
「 寿限無 」 のような
落語の世界になってしまいますので
通常は略称で通じます。
論文等の出典の記載においても
法令名や
判例集,雑誌名などの表記には
正式名称ではなく
略称で記されています。
この場合には
最初に 凡例 が
掲載されています。
しかしどうしても
表示にばらつきが出ますので
ある程度の統一が
法律編集者懇話会 にて
検討されてきました。
法律編集者懇話会 とは
法令名の略語
判例集・判例評釈書誌の略称
定期刊行物の略称などを含め
「法律文献等の出典の表示方法」
について
形式の統一化を図ることを
検討することを目的として
法律関係の雑誌および書籍に携わる
編集者で組織された懇話会です。
⇒ 法律文献等の出典の表示方法
(2014年版)PDF
- 法律編集者懇話会
- NPO法人 法教育支援センター
このような検討がなされていますが
多少の 表記のゆれ はあります。
ちなみに
重判(重要判例解説) については
法律文献等の出典の表示方法 では
重判解 となっています。
文献に当たっている際に
略称名がわからない場合。
図書 や 雑誌 ならば
凡例 を見れば解決します。
レジュメ等で
凡例が付いていない場合の
略称名の検索方法は
先ほど紹介した
法律文献等の出典の表示方法 の他に
次のようなツールを使うと便利です。
Webサイトの場合の一例として
日本の判例集・法律文献略語一覧
- 福島大学附属図書館
https://ir.lib.fukushima-u.ac.jp/hanrei.html
紙媒体の文献で検索する場合は
法律時報の12月号の巻末 に
文献略語表 が付いています。
以前は
1月号 に掲載 されていたのですが
( 2015年1月号 通巻1081号 まで )
2015年12月号( 通巻1093号 ) からは
12月号 に掲載 されています。
◆ 法律時報 - 日本評論社
https://www.nippyo.co.jp/shop/magazines/latest/1.html
⇒ 文献略語表 2015年12月号(87巻13号)PDF
他にも
リーガル・リサーチ 第5版
いしかわまりこ 他著 / 日本評論社 2016.3
の巻末にも
法律文献等の出典の表示方法
および
文献略語表
の掲載があります。
これらの資料で
ほとんど対応できるのですが
以前に
レジュメを見せられて
判工 という資料がわからないとの
お尋ねがありました。
上記の検索ツールでも掲載がないので
国立国会図書館リサーチ・ナビ で
当たったところ
判工 は
判例工業所有権法 の略称
ということが判明しました。
国立国会図書館リサーチ・ナビ は
知っておくと大変便利です。
判工 の掲載のあるページを
例として紹介します.
日本 - 分野別裁判例集
- 国立国会図書館リサーチ・ナビ
http://rnavi.ndl.go.jp/politics/entry/Japan-hanrei-admin.php
以上
読んでいただき
ありがとうございました。