2017年5月29日月曜日

ランガナタンの五原則と当Webサイトの経済的効用

情報を求める者
(情報需要者,利用者)

情報を提供する者
(情報提供者)の情報

マッチング させるために
利用者に正確かつ有益な情報を
いかにして合理的に
アクセス
してもらうか。

これが
情報館としての図書館
専門職である司書の役割
一つです。

図書館学をきちんと修め
司書として日々研鑽している方は
ランガナタンの “ 図書館学五原則 ”
そらんじることができると思います。

1.Books are for use.
( 図書は利用するためのものである。)


2.Every reader his or her book.
( いずれの人にもすべて,その人の本を。)


3.Every book its reader.
( いずれの本にもすべて,その読者を。)


4.Save the time of the reader.
( 読者の時間を節約せよ。)


5.A library is a growing organism.
( 図書館は成長する有機体である。)


この五原則は1931年に示されたもので
当時は本が貴重であったことなどから
本の「利用」よりも「保存」
主眼に置かれた理念です。

またこれらの原則が今日まで
「 図書館奉仕の神髄 」 といわれ
図書館サービスの理念となって
きました。

五原則の内容
憲法や一般法と同じく
抽象的に表現 されていますので
実際の「図書館サービス」に
どう 具現化 していくかの研究と実践

竹林熊彦 氏をはじめ
多くの研究者や実務家が著わしてきました。

◇ 図書館の対外活動
( 日本近代図書館学叢書第2巻 )
/ 竹林熊彦 著 慧文社 2017


◇ 図書館の対外活動
( 日本近代図書館学叢書第2巻 )
- 慧文社

http://www.keibunsha.jp/books/9784863301757.html

なお,竹林熊彦 氏の
自筆稿や蔵書など研究資料については
同志社大学図書館の
竹林文庫に保存されています。

◇ 同志社大学学術リポジトリ
https://doors.doshisha.ac.jp/duar/repository/ir/20353/?lang=0

それから
この 第5原則
「A library is a growing organism.」
( 図書館は成長する有機体である。)

と謳っているように
竹林 氏の時代から現在に至るまで
時代が変わり,社会の変化に伴い
図書館もそれに合った
サービスを展開する必要から
ランガナタンの図書館学五原則自体に
手を加えようとする考えが出てきました。

OCLC Research の研究員 である
L.S.ConnawayI.M.Faniel
公開した
“ Reordering Ranganathan
: Shifting User Behaviors, Shifting Priorities ”

があります。

このレポートは
ランガナタンの「図書館学の五原則」
を基軸としつつ
その優先順位を並べ替え
現代社会の状況に合わせて
1から4の原則に
新たな解釈
がなされたもので
特に第4原則の
Save the time of the reader.
( 読者の時間を節約せよ。)

最優先 として置かれました。

これらは
当時の「保存」よりも
「利用」を重視 しています。

「利用」についても
情報が溢れている昨今
情報需要者がその中から
いかに効率的かつ正確に
情報を取得できるのか
需要者の情報行動を把握し
容易にアクセスできるよう
サポートすること。

そして
需要者が何を求めているか
ニーズを知ること。
それにはまず
所属する図書館に何ができるのか
自らの所属するコミュニティを
知る必要があること。

先の2点を理解した上で
情報アクセスに必要な
具体的なインフラを整備し
それらを利用しやすくし
容易にアクセスできるように
整えておくこと。

これらの趣旨のもとで
打ち立てられた原則は
以下のとおりです。

1.Save the time of the reader.(旧4)
( 読者の時間を節約せよ。)
新解釈:
Embed library systems and services into users' existing workflows.
(図書館システムとサービスを利用者の実際の情報行動に組み込め。)


2.Every reader his or her book.(旧2)
( いずれの人にもすべて,その人の本を。)
新解釈:
Know your community and its needs.
(所属するコミュニティとそのニーズを知れ。)


3.Books are for use.(旧1)
( 図書は利用するためのものである。)
新解釈:
Develop the physical and technical infrastructure needed to deliver physical and digital materials.
(紙媒体や電子資料を提供する物理的,技術的なインフラを発展させよ。)


4.Every book its reader.(旧3)
( いずれの本にもすべて,その読者を。)
新解釈:
Increase the discoverability, access and use of resources within users' existing workflows.
(情報行動の中で資料を発見しやすく,入手しやすく,使いやすくせよ。)


5.A library is a growing organism.
( 図書館は成長する有機体である。)


何かを調べる,調査するという行動は
そのこと自体が最終目的ではありません。
調べることによって
裁判の証拠資料としたり
論文や記事,その他の文書やレポートを
作成するにあたって参考にしたり
裏付けを取ったりします。
その他にも
就職や結婚など私的なことから
選挙における投票を決める材料とする
国政に対する意思決定の役割を担うなど
あらゆることを選択する際の
資料にすることが
最終目的です。

その目的を早く達成するために
調べる時間はできるだけ短縮し
合理的に行ないたいという
情報需要者のニーズがあります。

目的達成のために
情報アクセスを容易にし
調べる時間を短縮し
合理的に行えるようにする
サービスの理念としては
先程の
ランガナタンの
「 図書館学の五原則 」の
新解釈を紹介しました。

他方
「 図書館の名目的効用 」 という
指標があります。
これは
図書館サービスを実施することによって
どれだけの経済効果が出たのかを
表す指標
です。

図書館の名目的効用

購入図書の平均単価(P)
×
貸出冊数(L)

図書館経費(E)


という式になります。

この指標は
仮に図書館がなければ
利用者の求める資料を
書店などから購入する必要がある。
これにより
購入に要した費用(P×L)
から
図書館の管理・運営に
必要な経費(E)を
マイナスすることで
図書館があることによって
節約できた金額となるので
図書館の社会的効用となる
ものです。

この指標は単純でわかりやすいため
自治体でいうならば
首長や議員に対して図書館側が
説明するときに用いられる指標です。

この数値を上げるための策として
一人に対する一回の貸出冊数を
多くしている(例えば,30冊)
自治体の公共図書館もあります。

しかし
今の図書館サービス
以前のように
「貸出し」サービスを重要視せず
「利用」を重視するなど方向へ
サービス展開を変化
させています。
そのため
やみくもに一回の貸出し冊数を
多くしない自治体の図書館もあります。

この辺を論じだすとキリがないので
また別の機会に・・・。


図書館の経済的効用
貸出しのみではなく
「図書館の利用」 としてとらえ
図書館を利用 することで

利用者の目的達成のための
調査を合理化させ
時間を節約させる効果

以外に
利用者に新たな発想を創出させ
新たなモノやサービス,アイデアなどを
創造することに資する効果

なども出ます。

このWebサイト
これらの
図書館学の理論を参考 とし
図書館に行かなくても
得ることのできる情報を
提供することにより
図書館や書店に行かずに
その 費用や労力を節約し
目的達成の効果を上げること。

そして
情報需要者
効率的に情報アクセスが
できるよう手伝うこと

趣旨 として作成しています。

また
今後は図書館の利用方法が
よくわからないとの声もあることから
なぜこういった
利用しかできないのか
融通が利かないのか
と感じる方々もいますので
その仕組みについても
書いていきたいと思います。


~ 参考資料 ~

◇ E1611-
時代は変わり順序も変わる:
『 図書館学の五法則 』再解釈の試み
- 宮城教育大学附属図書館・吉植庄栄
- カレントアウェアネス-E
No.267 2014.09.25
- 国立国会図書館

http://current.ndl.go.jp/e1611

◇ 図書館情報学入門(有斐閣アルマ)
- 藤野幸雄,荒岡興太郎,山本順一 [著]
- 有斐閣 1997


以上
読んでいただき
ありがとうございました。

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