2017年2月20日月曜日

近代立憲主義と平和主義


近代立憲主義と
日本国憲法の3原則の中の一つ
平和主義ついて考えてみます。

法律関係者には
「 釈迦に説法 」 なので
主に高校生をターゲットにします。

先日
『 伝わる書き方 』( PHP研究所 )
という本を
書棚から出して
再読したときがきっかけです。

著者の
三谷宏治 氏
K.I.T.虎ノ門大学院主任教授
アクセンチュア 等で
経営コンサルタントを
されていた方です。

三谷 氏 の著書は
わかりやすく書かれ
私も大いに参考にしています。

この本の内容は
文章の書き方について
① 理解しやすいように文章を短く切り
② その文章の内容を類型別に目次化させ
③ 読者が興味を引くように文章に波をもたせる

といった3つ方法に分類して
レクチャーした手引書
です。

その中で
気になった箇所があります。
70頁の
日本国憲法 前文
“ 余計な装飾を省く ” 説明のくだりで

個人的見解と断ったうえで

日本国民は,
恒久の平和を念願し,
人間相互の関係を支配する崇高な理想を
深く自覚するのであつて,
平和を愛する

諸国民の公正と信義に信頼して,
われらの安全と生存を保持しようと決意した。

から

日本国民は,
諸国民の公正と信義に信頼して,
自らの安全と生存を保持しようと決意した。

と文章を簡潔にしています。

省いた箇所の

恒久の平和を念願し,
人間相互の関係を支配する崇高な理想を
深く自覚するのであつて,
平和を愛する


の部分を
“ 余計な装飾 ” として省いています。

この本は憲法論について
書かれたものでなく
確かに
この箇所の表現は
「 くどい言い回し 」
と感じます。


ここで
近代立憲主義について考えると

近代立憲主義 とは
憲法に基づいて政治を行う考え方です。

その 3原則
① 国民主権
② 人権保障
③ 権力分立

です。

権力分立 とは
立法,司法,行政の
三権分立も含みますが
より広く捉えます。
日本の場合は
地方分権,行政委員会,二院制
三審制 等も含みます。
この仕組みは
権力が一つに集中しないように
権力機構を分散させ
抑制と均衡を図るものです。

一方
日本国憲法の3原則
① 国民主権
② 基本的人権の尊重
③ 平和主義

です。

国民主権 について

日本国憲法の国民主権 と
近代立憲主義の国民主権 とは
異なります。

日本国憲法の国民主権 には

国の政治の在り方を
最終的に決定する権力を
国民自身が行使する
権力的契機 ― ①

国家の権力行使を
正当づける究極的な権威が
国民にあるとする
正当性の契機 ― ②

の二つを合わせた
意味を持っています。

しかし
近代立憲主義の国民主権 には
②の 正当性の契機 の意味しか
ありません。

次に
国民主権 および 権力分立 と
人権保障 との関係については

国民主権 および 権力分立
人権保障を実現するための手段です。

平和主義人権保障 との関係は
平和であることは
人権保障の前提となる関係です。


では
平和が人権保障の前提 となるものならば
なぜ
平和主義が
日本国憲法の3原則には
挙げられているのに
近代立憲主義の原則には
ないのでしょう。


近代立憲主義 においても
平和主義が当然 のことであり
規定されなかっただけで
無視されたのではありません。

これに対し
日本の場合
二度の世界大戦を経験し
侵略によって
他国に被害
を与えました。

それと同時に
空襲や原爆投下などもあり
戦争で多くの国民に
被害
が出ました

これらを教訓として
平和主義を明文化 して
その 意義を強調 した
ものと考えられます。


だから
余計なほど,繰り返して
平和を強調
していると
考えます。


このように
全く関係ないところから
考え直したり
発想が湧いたりすることって
ありますよね。


~ 参考文献 ~

伝わる書き方 三谷宏治 著 / PHP研究所 2013

日本国憲法 朗読CD 佐藤慶 / フォンテック 2006

比較憲法 第3版 樋口陽一 著 / 青林書院 1992

憲法 第3版 佐藤幸治 著 / 青林書院 1995



以上

読んでいただき
ありがとうございました




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