2023年9月2日土曜日

図書館司書の現状

前回
司書講習における勉強法について
述べました。

司書講習を修了して
図書館に就職したとき

「 船橋市西図書館蔵書破棄事件 」
ケースとは言いませんが…。
職員にも
ときたまおかしな輩がいます。

丸山眞男 先生 の言葉を借りれば
「 たこつぼ型 」の職場に長くいるため
視野の狭い方がいるので
人間関係が難しい職場です。

利用者もパブリックな場所なので
不特定多数の利用者が出入りするため
サービスに対して
何かと自分勝手な理屈をつけて
ケチをつけてくる利用者もいます。

それらに対応するためにも
基本的な知識をしっかり身につけて
対応しましょう。

でも,あまり論破してしまうと
そういう利用者は
責任者を呼べ! といいます。
それで
責任者から
「 サービスについてはうちの職員から
 説明した通りに運営しております。」
と言うと
「 いや 俺が文句を言うのは
 あの職員の態度が悪いからだ。」

というように
話をすり替えてきます。

これは 典型的な
クレーマーの言い方
ですが
公共図書館の窓口業務をしていると
この様な対応に追われる場面が
多くあります。

それから
図書館というのは
典型的な「 たこつぼ型 」の職場だな
ということを改めて感じるケースは

色々な図書館で経験を積んできた
司書たちが集められて
新たな図書館業務の立ち上げで
仕事をするといったケースで
必ずといっていいほど起こるのは

「私の区 では こうしていた!」
「前の図書館 では こうだった!」
とだけ言って
何かと主張してくる方が結構います。

これを言い出されると
説得力が全くないので
業務や議論が進まなくなるんですね!

ここはあなたが前にいた
区でも図書館でもないんだよ !!
と言いたくなります。

ではでは出羽守にはうんざりですよ…

なぜそうしていたのか
なぜその方法が良いのかという
説明,説得が抜けてるので
平行線のまま発展しないんです !!

そのために教養が必要であったり
研修制度や司書講習で
基礎的知識を学ぶ制度を設け
共通知識としての基盤の上
職場等で培った実戦経験としての
応用が成り立つ といった
「 ささら型 」の教育システムが
設けられているわけです。

あんた高等教育受けてんだろー!!
ということを
こういう職場にいたときは
常に感じていたところです。

このように
融通の利かない堅物な司書が多い中
クレーマーも多いので
色々と人間関係のトラブルが多く
辞める方も多い職場ですね・・・。


図書館サービス について
海外,特にアメリカやカナダの
専門職としての司書について
比較するとき
アメリカやカナダの司書は
専門職大学院の課程を修了し
司書職としての社会的地位も高い。

日本もそれに倣って
さらなる 専門的知識を身につけ
専門職大学院に行くことが望ましい。

などと言っている関係者がいます。

まあ,これは
文科省と大学の
学生誘致のためのキャンペーン
であって
他にも
法科大学院 等の専門職課程
修士,博士課程の研究課程 も同様で

その過程を修了したからと言って
安定した就職先があるわけでなく


結局
大学院にかけた費用に対して
それに見合った
収益を得ることができない
ことが多い。
というのが現状で
喜ぶのは大学だけですよね・・・。

特に司書なんかは
費用をかけて
「 司書講習 」 を修了したのはいいが
ほとんどの就職先は
業務委託の会社

給料“ 激安 ” です。

おまけに 入札
実績を上げるため だけで
安く落札する
“ ブラック ” な 新規参入者
も多く
最終的に
“ 労働者の給料に跳ね返る ”
ので
末端の非正規雇用の労働者は
苦しいですよ。

さらに
民間委託により
委託者の要求は結構高い ですし
制約も多く
業務委託反対派の労働組合が
強いところなんかは
自分たちのことは棚に上げて
業務委託のスタッフが
少しのミスでもしようものなら
大騒ぎしますからね。
こういった
“ 針のむしろ ” にいるような
職場もありますよ。

また
一時期の図書館司書募集の求人欄に
「 図書館司書募集!」
 応募資格:
 司書資格および学芸員資格取得者で
 司書3年以上の経験者。
 また
 英語およびそれ以外に
 中国語,韓国語,フランス語,
 ドイツ語のいずれかが読めて
 会話ができる方。
 業務内容:
 窓口でのお客様対応,
 資料の貸出,返却,予約業務。
 時給:1,000円

おいおい! と言いたかったです。
こんなのに応募する人は
よっぽどの篤志家でない限り
考えられないですよね!
と、思いそうですが
これが巷には
“ 野良博士 ” 的な人や
旦那さんが海外転勤の多い
高学歴エリートで
奥さんも同様の学歴で
扶養の範囲内で働きたいという方が
結構いて
要件をクリアする応募者がいるんです。

ただ、当然
家族の扶養義務のある方々や
キャリアも高いけど
プライドも高い方々は
こんなとこでやってられるか!
といって
長続きしない方がほとんどですね。

一方
大学や専門図書館等の求人では
要件に「外国語ができる方」と
ひと言入れると
応募者数がかなり抑えられるので
事務的負担の軽減や
質においても水準以上の応募者が来る
というメリットがあります。

今では経済もある程度は
上向いて来たので
先述のような
極端な応募要件は鳴りを潜めましたが
業務委託での図書館司書の応募要件は
割に高い反面、時給が低いことは
相変わらずです。

ということで
色々と愚痴や悪態をつきましたが
司書の現状をわかったうえで
それでも
司書になりたいという方に対して
申し上げますと。

図書館業務ローカルルール
成り立っているところがあります。
また
業務にあたり
司書資格を求められることは多いですが
運営管理側でなく窓口業務だけならば
図書館司書の専門的知識は
特に必要はないでしょう。

ということは
配架のみならば
数字が読めて
順番に並べることができれば
知的障がいのある方でも
仕事ができるので
障がい者の活躍の場として
提供することもできそうです。

ただ
図書館業務全体を考えれば
図書館司書は
専門的知識の研鑽はもちろん
高いコミュニケーション力が
必要な職業です。
いや、そうであってほしいです。


本が好きでなければ
勤まりませんし
本が好きなだけでも
勤まりません。


司書の勉強をしている方で
これから司書職に就きたい方は
その辺を考慮に入れてください。

それから
教養と基礎的な知識はしっかりと
身につけた上で
専門的な知識や技術を
積み上げていき
砂上の楼閣にならないように
してください。

他の業界も同じだと思いますが…。


以上
読んでいただき
ありがとうございました。