2017年6月4日日曜日

図書館資料の貸出冊数と継続借受ルールの運用

前回
図書館サービス について
公共財の性質占有期間
バランス を考え
その 合理的な落としどころ といった
貸出期間の決定プロセスについて
書きました。

合理的な貸出期間 が設定されると
つぎに
その貸出期間に読むことができる
合理的冊数 として 貸出冊数
決まります。

この 貸出冊数の決定 については
前々回書きました
「 図書館の名目的効用 」
数値を形式的に上げるため
貸出冊数を多く設定 している
自治体もあります。

また
専門書や長編小説など
読むのに時間を要する本もある一方で
絵本などすぐに読み終わってしまう
本もありますので
資料の特徴 も考えます。
さらに
図書館の 蔵書数 なども
考慮する必要があります。
蔵書数が少ないのに
貸出冊数を多くすれば
図書館資料の在庫数も
少なくなってしまい
利用者が来館しても
資料が慢性的に無い状態に
なってしまいます。

また
大学の場合
貸出日数貸出冊数 が多いのは
目的研究 であり
研究論文作成のためには
それなりの 資料数日数
必要とするからです。

一方で
法科大学院の場合
目的が研究ではなく
実務家養成のための学習に
資するための蔵書構成

なっているので
大学図書館に比べて
規模がかなり小さく
蔵書数も少ない
ので
貸出日数 および 貸出冊数
多くすれば
在庫資料が少なくなってしまい
必要な時に
慢性的に資料がないとなると
法科大学院図書室の用を成さない
ので
ロースクールによっては
全て禁帯(貸出不可)としている
図書室もあります。

このように
貸出冊数の決定 には
貸出期間に読むことができる
合理的冊数
を前提に
・図書館の名目的効用
・扱っている資料の種類
・図書館の目的
・蔵書数 など
を踏まえて
設定されています。

つぎに
同一の資料を同一の利用者が
継続して借受けのできる図書館

連続しての借受けはできず
1日おいてからならば
再度借受けが可能な図書館
との
サービスにおける
考え方の違いについては
まず
公共図書館 の場合
サービスの主体
「 貸出し 」 と考えている
自治体ならば
「 公共財 」と「 占有 」 の
概念よりも
「 名目的効用 」
優先
他の利用者が貸出中の資料を
借りたければ
予約をすればよい
と考えるからです。
また
蔵書数も関係 します。

それから
仮に1日おいて貸出しが可能と
利用者に訴えても
モラルのない利用者ならば
返本されれば確信犯的に
また借りに来ますので
そのような 運用に効果はでない ので
継続貸出可能としていると
考えられます。

一方
1日おいて再度借受可能とする
図書館は
蔵書数 を鑑みた上で
「 公共財 」「 占有 」
概念を優先し
性善説を前提
利用者の規範意識( モラル ) に訴える
といった
運用 と考えられます。

法科大学院図書室 の場合ならば
蔵書数と図書室の目的を
考慮した上の運用
ですので
「 貸出し 」サービスより
「 調べる 」,「 参考にする 」ことを
優先としています。
それから
仮にルールを守れない
ロースクール生が多ければ
運用を変えて
全て禁帯とすることも容易であり
原則論である
「 公共財 」 と 「 占有 」 の
概念を優先して
まずは
利用者の規範意識( モラル ) に訴える

としていると考えます。

もし
前回の冒頭のような質問を
ロースクール生がしてくれば
このような長い説明はいらず

図書館資料は
“ 公共財(的) ” であって
その利用については
“ 公共 ” の制約を
受けることになる。


と,説明すれば
ほとんどの方は理解してくれます。
おそらく
このブログをご覧になっている方も
同様だと思います。

“ 公共財(的) ” なので
占有(独占)することはできず
もしも
借りようとしている資料
独占して
線引きや書き込みをしたり
ページを折るなど
自分自身でカスタマイズ
したい場合や
手元に置いておきたい のならば
相当の対価を払う。
つまり
書店などで
購入 すればよいのです。

これが
物事を合理的に考えられる人 です。

しかし
公共図書館の一部の利用者 のように

・永久に継続貸出をして独占する。
・その時点において必要のない資料を
 借りたり( 積読状態 )
 予約取り置きする。
・借りた資料を延滞する。
・予約本の取り置き期限を延ばしまくる。
・当日の新聞を全部独り占めする。
・本を汚す。ページを折る。
 線引き,書き込みをする。
・図書館員が注意すると逆切れする。


こういった問題行動を起こす
悪質“ フリーライダー ”
本質的に ケチ であり
合理的思考ができず
自分のエゴを通そうとします。

そういった輩にかぎって
クレーム が多く
やたらと“ 税金 ”といってきたり
“ 性善説 ” を振りかざします。

公共施設で働く図書館員ならば
“ 図書館利用者あるある。”
といったところでしょう。

賃金が安い上に
こういった輩を毎日相手にしている
“ 現代の「 蟹工船 」的職場 ”
ともいえるような
公共施設で働く図書館員は
ホントにストレスもたまるだろうと
お察しします。


以上
読んでいただき
ありがとうございました。

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