2023年10月14日土曜日

判例が収録されるまでの期間

法情報検索 各論 3 判例 1

かつての紙媒体の情報から
IT技術の発達により,
インターネットを介しての
Webの登場で
情報流通が高速化しました。

判例や法令等の法情報も同様で
より速く
情報を知ることができます。

今回は
判決が言い渡されてから
各媒体に
判例として収録されるまでの期間を
比較しました。

判例が収録されるまでの期間は
データベースや冊子体資料により
異なります。

図にすると,こんな感じです。



◆ 裁判所ウェブサイト - 裁判例検索
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/search1

最高裁判所判例集 及び
下級裁判所判例集 については
過去3か月以内
知的財産裁判例集 については
過去1か月以内
各判決等の一覧を表示。

早いものでは
判決の翌日に掲載され
速報性に富む一方
審級・裁判所によって
掲載時期にばらつき

があります。
掲載までの期間は
翌日~約2週間から1ヵ月後。


◆ 裁判所時報
※『裁判所時報』は
 1780号(2021年12月15日)をもって
 終刊となりました。


最高裁判所事務総局が
月2回(1日,15日)発行
する
裁判所組織内の広報新聞。

裁判例,最高裁判所判例要旨,
最高裁判所裁判例要旨
(民事のみ)の速報が
掲載されています。

また
裁判所に関係ある法律や
最高裁判所規則・規程の改廃,
裁判官の人事異動情報,
司法修習生の修習開始・終了,
裁判所関係のニュース等を収録。

1月1日号には
長官所長会同における
長官挨拶が掲載されます。

判決言渡日から
約2週間から1ヶ月後に
判決全文を速報。

インターネットでの判決速報が
なかった当時は
相当早く判例を見ることが出来る
情報媒体として活用されていました。

民集・刑集の要旨を見たり
速報として利用するのに役立ちます。

◆ 判例雑誌

『判例タイムズ』月1回
『判例時報』月3回
 分野別判例雑誌など
があります。

掲載は判決言渡日から
早くて約1ヵ月~6ヵ月
「判タ」,「判時」については
約1ヵ月 ~ 3ヶ月後。


◆ 有料判例データベース(Web版)

◇ LEX/DBインターネット - ご利用案内
https://lex.lawlibrary.jp/guide.html

新判例公表にあわせ
毎週金曜日に判例を追録更新。

毎週アップデートされる
新着判例を一覧で確認できます。

◇ D1-law.com 判例体系
https://dtp-cm.d1-law.com/

更新頻度は日次更新。
加除式書籍で提供されている
『判例体系』のインターネット版。

◇ Westlaw Japan
http://www.westlawjapan.com/products/westlaw-japan/contents/

更新頻度は日次更新。

◇ LexisNexis ASONE - 収録コンテンツ
https://resource.lexis-asone.jp/asone/info/docs/contentslist.pdf

更新頻度は
毎日更新の裁判判例は随時更新。
月次更新の裁判判例は
月次で集計して更新。


◇ LLI判例秘書アカデミック版
https://www.hanreihisho.net/

更新頻度は月2回以上。

◆ 公式判例集

掲載までの期間は
およそ半年~1年以上で
収録までに時間がかかります。


公式判例集では
厳選された判例情報が
省略されず掲載されます。

また
重要性の高い資料ですので
著作や報告書等で引用する際には
先して引用することが
望ましいとされています。


以上
読んでいただき
ありがとうございました。