2016年10月19日水曜日

判例公刊


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判例を調べる際
判例集に載っていない
判例があります。

憲法第82条〈 裁判の公開 〉において
1項…
裁判の対審及び判決は
公開法廷でこれを行ふ。

2項…
裁判所が
裁判官の全員一致で
公の秩序又は善良の風俗を
害する虞があると決した場合には
対審は
公開しないで
これを行ふことができる。
但し
政治犯罪
出版に関する犯罪
又は
この憲法第三章で保障する
国民の権利が問題となつてゐる
事件の対審は
常にこれを公開しなければならない。


とあります。

一方
判例 には
判決後に判例集等に登載される
「 公刊判例 」
公刊物に公開されることのない
「 未公刊判例 」 があります。

憲法で裁判の公開を規定しながら
判例においては一部のみが公刊され
あとの大多数は
公刊物に登載されていません。

また,判例登載の基準についても
ほとんど明らかにされていないのが
現状です。

この点について
判例を積極的に公刊するか否かには
双方の立場からの意見 があります。

まず
積極的に公刊すべきという立場
( 促進説 )
からは
★ 裁判の平等性の強調
★ 法的安定性の重視
★ 情報公開の尊重 
(公刊されている
私的判例集においては
匿名化が一般的になっています。)

を,主張します。

一方
全ての判例公刊には 消極的な立場
( 限定説 )
からは
★ 判例公刊にはコストがかかり
効率性や合理性からみても
全判例の公刊に意味がない。
★ プライバシーの公開になるという
問題点がある。

というように考えます。

これらの立場を踏まえて
現状の判例公刊になっているので
論文等に引用されていても
実際に入手できない判例もあります。

なお
法律的判断が
過去の判断と同様であれば
判例集には掲載されません。
ですから
話題性のある判決でも
判例集に
掲載されているとは限りません。

しかし,自分の探している判例が
見つからなかったとしても
公刊されていないのではなく
検索方法が至らない場合も
ありますので
改めて検索してみましょう。

① データベース検索

各社有料データベース
裁判所Webサイトなどは
収録件数がそれぞれ違うので
目的の判例がない場合は
すべてのデータベースを
検索してみます。

よくある検索ミスとして
事件名で検索する場合は
データベースにより
検索語が異なっていたりします。
また
固有名詞で
検索ができなかったりするので
検索に工夫が必要です。

② 法律雑誌での調査

「 判例時報 」
「 判例タイムズ 」
その他の判例雑誌は
出版社が
独自に収集している判例があるので
公的判例集に掲載されていない判例も
掲載されています。
データベースの法律雑誌横断検索や
法律判例文献情報
および
実際の冊子体に当たってみましょう。

③ 新聞記事での調査

新聞記事に判決要旨が
掲載されることがあります。
また
判例集に掲載されていない判決が
掲載されている場合もあります。


これらの検索を試みても
ない場合は,
そもそも
元の情報が間違えている場合も
あります。
そこの,検証も行いましょう。


★ 参考文献

判例公刊 については

・ 指宿信 『 判例公刊について 上 』 法律時報 73巻10号 67-73頁
・ 指宿信 『 判例公刊について 下 』 法律時報 73巻11号 91-97頁

から要旨をまとめ

・ 町村泰貴 『 裁判所の判決や決定が公開される割合 』 Matimulog ( 2012 / 5 / 26 )
http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2012/05/justice-08f6.html#more
( アクセス日 : 2016年10月25日 )

・ 椿寿夫 『 判例の入手をめぐって 』 法律時報 62巻5号 38頁

を適宜,参考にしました。


以上

読んでいただき,
ありがとうございました。

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