特別区 施策 防災
▼ 関連サイト(リンク)
(最後にまとめてあります)
昨今の各地で起こる
地震や台風・豪雨などによる
大規模な災害から
被害軽減や被災者支援のために
法整備をおこない
災害に向けた施策を
国や地方自治体で進めています。
ただ
役所 や 消防,警察,自衛隊,
DMAT(災害時派遣医療チーム:
Disaster Medical Assistance Team)
といった
公的機関の救助・援助
つまり “ 公助 ” のみに頼るのでは
緊急時や一次的な対応
迅速な復旧活動を行うには
時間や人手に限界があります。
そこで
食料や水の備蓄,住宅の耐震化,
家具の転倒防止など。
各自で災害に備えておき
まずは “ 自助 ” を行うことです。
“ 自助 ” を促進させる
取り組みとしては
住民への情報提供として
災害類型ごとの
ハザードマップの作成や
防災マニュアル や 防災アプリの
配布・配信。
防災に関する
啓発・教育活動などを
行っていることや
住宅の耐震化 に
自治体が一部を助成して
建物の耐震化を促進させるなど
各区の実情に即した
様々な施策を推進しています。
大規模災害から
住民の生命を守るには
自助はもちろん
住民相互の助け合い
“ 共助 ” も不可欠です。
災害時に自力では
迅速な避難行動をとることが
困難とされる
高齢者等の災害時要援護者に対する
避難支援対策も課題となり
政府は
平成17年3月(平成18年3月改訂)に
災害時要援護者の避難支援ガイドライン
としてまとめられ
区市町村に対して
避難支援の全体計画と
要援護者一人ひとりに対する
個別計画の作成を推奨しています。
政府は平成20年4月に
自然災害の「犠牲者ゼロ」を目指す
ための総合プラン
を策定し
「自助」,「共助」を促進する
「連携プラン」を推進しています。
そのためには日ごろから
「地域コミュニケーション」を図り
「協働」,「連携」といった
互助作用を最大限に発揮した災害対策。
つまり “ 共助 ” を
いかに構築していくかです。
自治体では
“ 共助 ” の担い手を
増やすための例として
「自分たちのまちは自分たちで守る」
という精神から
地域ごとに
「自主防災組織」を形成して
住民の参加を促すことや
要援護者情報を把握して
情報伝達や避難誘導などを支援する取組。
法情報検索 各論 4 文献 8
法令の 条文解釈 を知りたい場合に
使用するツールとして
コンメンタール
( Kommentar:ドイツ語 )と呼ばれる
注釈書 があります。
実務においても
使用する機会の多い資料で
例えば
地方自治法 においては
いわゆる
「 松本コンメ 」(注)と呼ばれる
『 新版 逐条地方自治法 』があります。
ここでの 解釈 が
行政運用の指標 の一つになっている
といわれ
行政実務の定本 として
用いられています。
コンメンタール は
各法令の規範を体系化して解説した
体系書(基本書,概説書)に対し
法令を
条文順に1条ずつ解説 したもので
その 条文の意義,要件,効果,
関連条文,判例,学説 などが
掲載されています。
一般的には
1条ずつ全ての条文について
解説が付されていますが
コンパクトなものなど
出版の方針に従い
解説に濃淡が付けられていて
重要度の低い条文には
解説が提供されていない
コンメンタールもあります。
コンメンタール を
OPAC(蔵書検索機)で検索する場合
書名の欄 に
コンメンタール と入力して検索しても
かなりの検索漏れ が出ます。
OPAC による
件名検索 においても
憲法,民法 などといった
カテゴリーになっているので
コンメンタール という
件名(基本件名標目)がありません。
※ もっとも
「 D1 - Law.com 」の
「 法律判例文献情報 」など
有料データベースでは
コンメンタールの検索機能が
あるものもありますが
ここでは
一般的な検索方法について
述べています。
ただ “ 一般的には ”
コンメンタール(注釈書) には
書名の一部 に
注釈書であることを指す語 が
付されていますので
検索漏れを減らすテクニック として
書名の欄に
コンメンタール という語の外にも
類語 である
注釈 または 註釈,
注解 または 註解,
条解,条文解説,
逐条,逐条解説,詳説 といった語を
入力して網をかける方法があります。
最近では 第一法規 の
『 論点体系シリーズ 』
が充実していて
使い勝手のよいコンメンタールです。
なので
論点体系 という語も
頭に入れておいてください。
ただし
この 論点体系シリーズ は
各法分野の論点ごとに
整理することを主眼とした
“ 論点体系 ” という冠であり
シリーズ名や各書名に
コンメンタールを表す語がないので
編集の自由度も高く
法分野によっては
逐条形式をとらない
編集のものもあります。
例:「 論点体系 判例行政法 」
「 論点体系 判例労働法 」
コンメンタールには
先述の『 松本コンメ 』をはじめ
実務家御用達の
例えば
民法なら『 注釈民法 』
会社法なら『 会社法コンメンタール 』
刑法なら『 大コンメンタール 』
風営法なら『 注釈風俗営業法 』
その他
実務家や学生と幅広く使用されている
『 条解シリーズ 』
『 新基本法コンメンタール 』
といったように “ 定番 ” があります。
そのため
出版社も固定のユーザーが多い
既存のマーケットに切り込むには
編集方法も
趣向を変えたもので挑む必要があり
今後は編集方法も多様化されて
書名に現れない
“ 隠れコンメ ” も増えていくと
思います。
一例を挙げると
『 憲法を読み解く 』
渋谷秀樹/著 有斐閣 2021年
『 全訂 日本国憲法 』
宮沢俊義/著,芦部信喜/補訂
日本評論社 1978年
この本は息が長く
現在(2022年12月19日 時点)でも
出版されているコンメンタールです。
といったように
書名に『逐条』,『条解』などの
注釈書を表す冠が付かない
コンメンタールもあります。
さらに
先述の「 松本コンメ 」 のような
コンメンタールとは
対極 にあるといってよいもので
使用法や趣向が全く違います が
自由国民社 から出版の
口語民法 をはじめとする
口語六法全書シリーズ や
条文ガイド六法シリーズ
ほかにも
木俣由美 先生の
楽しく使う会社法
といったものもあります。
自分が法学部一年生のとき
刑法の初回の授業で
一番前の席に座っていた学生が
口語訳 基本六法全書 を出していたとき
“ これは六法ではない!” と
先生からダメ出しされていました。
さらにその学生
当時人気があり書店でも面陳されていた
刑法書ではありましたが
指定の教科書とは考え方の異なる
前田刑法 を持っていたため
さらに逆鱗に触れていました・・・。
高尚な学者の先生からすると
“ 邪道な六法 ” 的ですが
そうはいうものの
口語六法全書シリーズ や
実例六法全書
( 過去に 実例民法,実例刑法,
実例借地借家法 が出版 )。
これらは
法学初級者 や 一般の方 向けに
わかりやすく書かれていて
amazonレビューも高評価です。
もっとも
法律は官報により
一般国民に向けて公布されています。
したがって
一般向けに
法律が理解しやすいように書かれた
こういった本は重宝されていましたが
残念ながら
現在では改訂版や新版の出版は
ありません。
これは
主要な法律自体が
現代語化〈口語化〉されてきている
ということも
理由の一つかもしれません。
そうはいっても
鉄道好きな方はご存知と思いますが
鉄道営業法 や 軌道法,鉄道抵当法。
他にも 船舶法,水難救護法 や
手形法,小切手法 など
カタカナ文語体の法令は
まだまだあります。
木俣由美 先生の
楽しく使う会社法 については
さらに砕いてギャグ要素があり
マンガ感覚で見たり
エロ語呂世界史年号,
エロ語呂日本史年号 の
エロ語呂暗記法的に使用する本
といってもいいでしょう。
( その割には お値段が高め!)
ところで
本ができるまでには
ざっくり言うと
執筆 ⇒ 原稿編集 ⇒
造本設計,原稿指定 ⇒ 組版 ⇒ 校正
⇒ 印刷工程 ⇒ 製本 ⇒ 流通
といった過程を経ます。
最近の社会情勢は
激しく変動しているので
詳しい大コンメンタールを
出版しようとすれば
執筆中や
本ができるまでの過程の途中で
判例変更があったり
法改正が頻繁に行われるので
出版社泣かせなところがあります。
他にも
編著者が諸事情により
交代するなどして
中々進まなく
完結までに長い時間がかかるとか
刊行中止になってしまうのが
現状です。
( 例,有斐閣『新版 注釈民法』,
青林書院
『 大コンメンタール 』の一部など )
なお冒頭の ^(注)書きで紹介した
『 新版 逐条地方自治法 』についての
補足ですが
松本英昭 先生 のコンメンタールは
新版 となった 2001年10月 からで
この年( 平成12年 )の 4月 には
地方分権一括法
(地方分権の推進を図るための
関係法律の整備等に関する法律)が
施行され
※ 公布は 1999年(平成11年)7月16日
(法令番号:平成11年 法律第87号)
国と地方の役割分担の明確化,
機関委任事務制度の廃止,
国の関与のルール化 などが
図られました。
そして
地方分権改革 により
東京23区 は 基礎自治体 として
東京都 は 広域自治体 とした
平成12年改革 といわれる
都区制度改革 も行われました。
この大がかかりな改正を分岐点に
逐条地方自治法 も 新版 として
リニューアルされています。
それ以前の
『 逐条地方自治法 』
第12次改訂新版
( 1995年11月 )までは
長野士郎 先生の執筆で
「 長野コンメ 」 と呼ばれています。
著者名を交えて複合検索する場合には
その辺りを留意しておいてください。
~ 先頭へ ~
以上
読んでいただき
ありがとうございました。
行政法基礎 c
個別行政法の 第1条 には
概して『 目的規定 』が
置かれています。
目的規定 は
その法律がどのような目的で
定められたのか
その制定目的を簡潔に表現したもので
他の規定の解釈や運用の指針 と
なり得るものです。
目的規定の構成 は
その法律が規定する
『 目的達成の手段 』 。
それにより達成されようとする
『 直接的な目的 』 。
その
『 直接的な目的 』を達成することで
最終的に
どのような社会的利益をもたらすのかが
明記された
『 最終的な目的 』 で
構成されているものが
近年では一般的です。
~ 法律の目的規定の構成 ~
(一般的なもの)
◆ 目的達成の手段
◆ 直接的な目的
◆ 最終的な目的
これを踏まえて
宅地造成等規制法
(昭和36年法律第191号)を
見てみましょう。
第1条:
この法律は
宅地造成に伴う崖がけ崩れ
又は土砂の流出による
災害の防止のため
必要な規制を行う ことにより
国民の生命及び財産の保護 を図り
もって公共の福祉に寄与する ことを
目的とする
この法律については
国民の生命及び財産の保護 が
『 直接的な目的 』 で
それにより
公共の福祉に寄与する ことが
『 最終的な目的 』 です。
その 『 目的達成の手段 』として
宅地造成に伴う崖がけ崩れ
又は土砂の流出による
災害の防止のため
必要な規制を行う ことが
この法律の総合的な目的です。
第1条の次の
第2条の規定には
概して『 定義規定 』が
置かれています。
定義規定 は
その法令で
主要となる用語 を 明確に限定 して
説明したものです。
定義づけをすることで
規制対象を明確 にすることができます。
その他の構成要素のポイントとして
当該法律の
目的を達成させるための
最終手段として
強制的履行 をとる場合があり
『 罰則規定 』 を
設けていることがあります。
罰則 が用意されていれば
当該法律中の行為が 処分に当たる
可能性があると推測できます。
処分性についてのポイントとして
他には
行政手続法 の
第2章( 申請に対する処分 )や
第3章( 不利益処分 )に
現れるような
「 理由の提示 」や
「 聴聞 」,「 弁明の機会の付与 」
といった
文言が付されている場合についても
これらは
相手方に不利益となる行為に対しての
事前手続 を表すものなので
条文にこうした文言が付されている
法律による行為についても
処分に当たるといえます。
他の構成要素のポイントとしては
下位法令への委任規定 がある場合
その 法律と下位の法令 が
一体となって仕組みを形成するので
行政法の仕組みを理解する際には
下位法令の内容理解も必要です。
~ 先頭へ ~
以上
読んでいただき
ありがとうございました。
行政法基礎 b
行政法の構成 については
大まかにいうと
まずは 本則 があり
第1章には 総則 が規定され
それから 各則 へと入っていきます。
そして
本則の最後の章が 雑則 になっていて
本則を補充する規定になっています。
さらに必要に応じて
雑則の後には 罰則 が
規定される場合もあります。
これが 本則の構成 です。
本則 はその法律の本体的部分であり
実質的規定 が置かれています。
本則の後 には
附則 が規定されています。
附則は
本則を円滑に運用するための規定です。
附則は本則と分けられているので
通常は 附則 も本則と同様に
第1条から始まります。
ただし法律の中には
手形法 や 小切手法 など
附則規定が1条から始まらない
ものもあります。
行政法の一例として
災害救助法
(昭和22年 法律第118号)では
次のような構成になっています。
これらは 目次 で確認ができます。
災害救助法
(昭和22年 法律第118号)
目次
第1章 総則(第1条~第2条の3)
第2章 救助(第3条~第17条)
第3章 費用(第18条~第30条)
第4章 雑則(第31条)
第5章 罰則(第32条~第35条)
附則
附則の構成 については
法令の内容によって異なりますが
大方
次の順に並んでいます。
施行期日 ⇒ 法令の廃止
⇒ 経過措置 ⇒ 他法の一部改正
施行期日 については
法令は施行により効力を発生させます。
通常は
準備や周知のために
公布日からの期間が設けられています。
また
具体的な施行期日を含めた
その他の必要な経過措置を
政令に委任する場合 もあります。
立法にあたって
緊急の必要性 などにより
「この法律は
公布の日から施行する。」とした
即日施行 の場合もありますが
原則として国民に不利益を与える場合
特に刑罰を科する法令は
即日施行にはしないと
考えられています。
法令の廃止 についても
従前に効力を有していた
法令の効力が
消滅することになりますから
それについての準備や
周知が必要なため
こちらに規定しています。
経過措置 については
新法または改正法を
円滑に移行するための
措置といえます。
特に
社会生活や経済に
混乱を招かないように
徐々に
新しい法令に移行するための
措置については
「激変緩和措置」といい
経過措置によくある手法です。
昨今の
新型コロナウイルス感染症 の
予防接種 については
予防接種法 の
附則(平成25年3月30日 法律第8号)
第7条 の
「新型インフルエンザ等感染症に係る
定期の予防接種に関する特例」規定や
附則(令和4年12月9日 法律第96号)
第14条 の
「予防接種法の一部改正に伴う
経過措置」の規定から
新型コロナウイルス感染症について
今後このウイルスと感染に関しての
動向を判断しながら
対策を施していくため
経過観察中 であると言えます。
他法の一部改正 については
新法または改正法による制度が
既存の他の法令の制度と
相違する場合に
それらを整理するための措置です。
なお
行政手続法 や
会社法 の制定など
他の法令改正にも大きく関わるような
法律 については
附則も膨大になるため
別に「整備法」を設けて
ここに 経過措置 や
他の法令改正を規定しています。
(「行政手続法の施行に伴う
関係法律の整備等に関する法律」
(平成5年 法律第89号))
(「会社法の施行に伴う
関係法律の整備等に関する法律」
(平成17年 法律第87号))
~ 先頭へ ~
以上
読んでいただき
ありがとうございました。
行政法基礎 a
行政法学をリードした
田中二郎 博士 が唱えた
行政の定義 は
「 法の下に法の規制を受けながら
現実に国家目的の積極的実現を
目指して行われる
全体として統一性をもった
継続的な形成的国家活動 」
としたものでした。
しかしこの定義をもってしても
行政を把握しきれず
通説とはなりませんでした。
現在では
「 国家作用のうち
立法作用と司法(裁判)作用を
控除した
残余の作用を指す」とする
見解が支配的ですが
行政とは何かを
具体的に考える場合には
内容が空白です。
一方
田中先生の定義は
行政の特徴を捉えており
行政を考える上での
基柱となるものです。
「法の下に法の規制を受けながら」
ということは
「法治行政」 が頭に浮かびます。
「国家目的の積極的実現」とは
行政 は
立法 により
抽象的 に定立された
法律 にのっとって
法の具体的な運用 を行う
執行機関 です。
また
具体的な紛争が訴えられることで動き
法を解釈・適用して
結果を宣言することで解決を行う
受動的(消極的)な機関である
司法 に対して
行政 は
積極的 な法運用で動いて
目的実現 を目指します。
さらに
行政活動 は
「統一的」であり
「継続」して行われる
必要があります。
そして
「形成的」とは
私法における契約のように
契約者間の意思の合致で
権利の変動が発生するものと異なり
一方(行政)の意思のみで
権利変動が発生する ということです。
しかしながら
行政活動は多岐にわたり
この定義に当てはめることが難しい
行政 による 裁量 や 契約
受動的な不服審査 なども
含まれますので
全てを把握しきることが
難しかったわけです。
このことを踏まえて
国会 により制定された
法律 は 抽象的 ですから
判断・運用する場合 には
解釈 が必要です。
そこで
行政や裁判所は
それぞれに法解釈を行っています。
裁判所 の場合は
法を解釈・適用して
終局的解決をする機関 で
法的安定性 を保つために
今後の法解釈の指針となる判断を
判例 としています。
翻って
社会情勢の変動に対応しつつ
多岐にわたる行政ニーズに対して
司法の判断を待っていたのでは
迅速な目的実現が不可能です。
そこで
行政 においても
法治主義を意識しながら
具体的な法運用 をするために
終局的法律判断ではありませんが
法解釈を行っています。
いわゆる
行政解釈 といわれるものです。
この 行政解釈 についても
行政活動 の「統一性」や「継続性」を
保持するために
通達,通知,指針,ガイドライン などが
出されます。
通達等の法令ではないもの
( 行政規則 )の 種類 については
先の
「 法の階層 」
および
「 通達,告示,指針 等の検索方法 」で
説明しています。
ですから
新法および改正法が制定された場合は
行政 が 具体的 にどう 運用 するのかを
確認することが重要です。
行政解釈の基柱となるものは
一時的には
「立法者意思」を
明らかにすることであり
それを確認するには
「提案理由」,「趣旨説明」,「議事録」
といったものをたどることです。
これについては
先の
「 法案提出の理由と趣旨説明 」で
説明しています。
その他にも
内閣提出法案 の過程では
「審議会」への諮問が多いことから
「審議会の議事録」も参考になります。
行政の法律解釈は
「法律雑誌」や
「コンメンタール」でも確認できます。
法令の制定改廃 についての 解説 を
掲載して速報している
雑誌の例としては
「時の法令」,「法令解説資料総覧」,
「法律のひろば」,「法律時報」に
掲載される
「新法令解説」などがあります。
「コンメンタール」については
先の
「 コンメンタールの検索 」にて
説明しています。
法学者 による 「学説」 については
新たに起こる法的問題に対して
解決のあり方を提示する役割 を
担うもので
裁判所や行政が法解釈をする際の
判断材料となる解釈です。
権威のある学者 による
体系書 や 論文 は
多く引用され
法解釈の指標 になっています。
~ 先頭へ ~
以上
読んでいただき
ありがとうございました。
過去( 平成29年~令和4年 )
検事二級 任命 の 官報公告 について
ご案内します。
掲載は
官報の年月日,曜日,号数,頁,項目
および 人数 です。
~ 目次 ~
◆ 平成29年[70期],◆ 平成30年[71期],
◆ 令和元年[72期],◆ 令和2年[73期],
◆ 令和4年 ※4月期 [74期],
◆ 令和4[75期],
◆ 任官者数まとめ
平成29~令和4[70~75期]
◆ 検事の採用実績 - 法務省
平成29年
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
平成29年12月22日(金)
官報 本紙 第7170号( 10頁 )
人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
(12月14日)
※ 67名
~ 先頭へ ~
平成30年
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
平成30年12月21日(金)
官報 本紙 第7415号( 8頁 )
人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月13日 )>
※ 69名
~ 先頭へ ~
令和元年
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
令和元年12月20日(金)
官報 本紙 第157号( 7頁 )
人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月12日 )
※ 65名
~ 先頭へ ~
令和2年
検事二級
(東京地方検察庁検事 [他])任命 名簿
官報公告
令和2年12月22日(火)
官報 本紙 第399号( 10頁 )
人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 [18名]
( 横浜地方検察庁検事 )任命 [4名]
(さいたま地方検察庁検事)任命 [4名]
( 千葉地方検察庁検事 )任命 [4名]
( 大阪地方検察庁検事 )任命 [12名]
( 京都地方検察庁検事 )任命 [4名]
( 神戸地方検察庁検事 )任命 [4名]
( 名古屋地方検察庁検事 )任命 [8名]
( 福岡地方検察庁検事 )任命 [8名]
( 以上 12月17日 )
※ 計 66名
~ 先頭へ ~
令和4年(4月期)
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
令和4年5月6日(金)
官報 本紙 第727号( 8頁 )
人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 4月21日 )
※ 72名
~ 先頭へ ~
令和4年
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
令和4年12月19日(月)
官報 本紙 第881号( 10頁 )
人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月8日 )
※ 71名
~ 先頭へ ~
6年分( 平成29年~令和4年 )の
任官者数 をまとめますと
平成29年度(70期)・・・67名
平成30年度(71期)・・・69名
令和元年度(72期)・・・65名
令和02年度(73期)・・・66名
令和04年度
(4月期)(74期)・・・72名
令和04年度(75期)・・・71名
~ 先頭へ ~
検事任官までの流れ と
検事の採用実績 は
法務省Webサイト に掲載されています。
◇ 検事に採用されるまで - 法務省
検察庁職員 は
検察官,検察事務官,検察技官
および
その他の職員 で構成されています。
◇ 検察庁の職員 - 検察庁
一級の検事・二級の検事 に関しては
検察庁法 第15~19条 に
規定されています。
◇ 検察庁法
( 昭和22年4月16日 法律第61号 )
- e-Gov法令検索
~ 先頭へ ~
以上
読んでいただき
ありがとうございました。
過去( 平成28年~17年 )
検事二級 任命 の 官報公告 について
ご案内します。
掲載は
官報の年月日,曜日,号数,頁,項目
および 人数 です。
~ 目次 ~
◆ 平成28年[69期],◆ 平成27年[68期],
◆ 平成26年[67期],◆ 平成25年[66期],
◆ 平成24年[65期],◆ 平成23年[64期],
◆ 平成22年[63期],◆ 平成21年[62期],
◆ 平成20年[61期],◆ 平成19年[60期],
◆ 平成18年[59期],◆ 平成17年[58期],
◆ 任官者数まとめ
平成28~17[69~58期]
◆ 検事の採用実績 - 法務省
平成28年
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
平成28年12月26日(月)
官報 本紙 第6926号( 12頁 )
人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月15日 )
※ 70名
~ 先頭へ ~
平成27年
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
平成27年12月25日(金)
官報 本紙 第6684号( 9頁 )
人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月17日 )
※ 76名
~ 先頭へ ~
平成26年
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
平成27年1月7日(水)
官報 本紙 第6446号( 8頁 )
人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月18日 )
※ 74名
~ 先頭へ ~
平成25年
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
平成25年12月26日(木)
官報 本紙 第6200号( 9頁 )
人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月19日 )
※ 82名
~ 先頭へ ~
平成24年
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
平成25年1月7日(月)
官報 本紙 第5959号( 11頁 )
人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月20日 )
※ 72名
~ 先頭へ ~
平成23年
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
平成23年12月28日(水)
官報 本紙 第5709号( 9頁 )
人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月15日 )
※ 70名
その他に
旧司法試験合格者からの任官者 1名
~ 先頭へ ~
平成22年
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
平成22年12月27日(月)
官報 本紙 第5465号( 8頁 )
人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月16日 )
※ 66名
その他に
旧司法試験合格者からの任官者 4名
~ 先頭へ ~
平成21年
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
平成21年12月28日(月)
官報 本紙 第5223号( 11頁 )
人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月17日 )
※ 67名
その他に
旧司法試験合格者からの任官者 11名
~ 先頭へ ~
平成20年
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
平成20年12月24日(水)
官報 本紙 第4980号( 8頁 )
人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月18日 )
※ 73名
その他に
旧司法試験合格者からの任官者 20名
~ 先頭へ ~
平成19年
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
平成19年12月28日(金)
官報 本紙 第4739号( 8頁 )
人事異動 法務省
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
( 12月20日 )
※ 42名
その他に
旧司法試験合格者からの任官者 71名
~ 先頭へ ~
平成18年度以前の任官者数 は
旧司法試験合格者のみ です。
平成18年
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
平成18年10月10日(火)
官報 本紙 第4439号( 12頁 )
人事異動 法務省
検事二級( 東京地方検察庁検事 )任命
( 10月3日 )
※ 87名
~ 先頭へ ~
平成17年
検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命 名簿
官報公告
平成17年10月11日(火)
官報 本紙 第4194号( 12頁 )
人事異動 法務省
検事二級( 東京地方検察庁検事 )任命
( 10月4日 )
※ 96名
~ 先頭へ ~
10年分( 平成28年~19年 )の
任官者数 をまとめると
※ 新司法試験合格者からの
任官者のみの人数。
平成28年度(69期)・・・70名
平成27年度(68期)・・・76名
平成26年度(67期)・・・74名
平成25年度(66期)・・・82名
平成24年度(65期)・・・72名
平成23年度(64期)・・・70名
平成22年度(63期)・・・66名
平成21年度(62期)・・・67名
平成20年度(61期)・・・73名
平成19年度(60期)・・・42名
※
平成20年度(61期)の任官者は
その他に
旧司法試験合格者からの任官者 20名
※
平成19年度(60期)の任官者は
その他に
旧司法試験合格者からの任官者 71名
参考として
平成18年度(59期)以前の任官者数は
旧司法試験合格者のみで
平成18年度(59期)・・・87名
平成17年度(58期)・・・96名
です。
~ 先頭へ ~
検事任官までの流れ と
検事の採用実績 は
法務省Webサイト に掲載されています。
◇ 検事に採用されるまで - 法務省
検察庁職員 は
検察官,検察事務官,検察技官
および
その他の職員 で構成されています。
◇ 検察庁の職員 - 検察庁
一級の検事・二級の検事 に関しては
検察庁法 第15~19条 に
規定されています。
◇ 検察庁法
( 昭和22年4月16日 法律第61号 )
- e-Gov法令検索
~ 先頭へ ~
以上
読んでいただき
ありがとうございました。
法情報検索 各論 1 法令 3
~ 主要リンク ~
★ 日本法令索引 - 国立国会図書館
★ e-Gov法令検索 - 総務省
法令は制定・公布後に一部,全部改正
または廃止されることがあります。
こうした改廃を定める場合も
それについての法令が必要です。
例えば
会社法
(平成17年7月26日法律第86号)が
新たに制定されるにあたり
会社法の施行に伴う
関係法律の整備等に関する法律
(平成17年7月26日法律第87号)も
同時に制定 されます。
これは会社法が制定されることで
それに関係する法令にも手を加える必要
(商法や有限会社法などの改廃など)が
あるからです。
制定改廃された法令に
公布年月日と法令番号を付して
官報で公布することで
国民に知らせます。
したがって
制定改廃を定める法令の
公布年と法令番号がわかれば
官報や法令全書で
その内容を確認することができます。
法令沿革 とは
公布年と法令番号によって表示される
法令の履歴 です。
法令沿革 は
『日本法令索引データベース』で
知ることがます。
★ 日本法令索引 - 国立国会図書館
~ 先頭へ ~
『日本法令索引データベース』は
明治19年2月公文式施行以降の
省令以上の法令について
制定・改廃経過等の情報が
検索できます。
他にも
帝国議会及び国会に提出された法律案や
国会に提出された条約承認案件等の
審議経過等も検索できます。
『日本法令索引』には
条文の掲載がありません。
『e-Gov法令検索』や『衆議院 制定法律』に
リンクが付されていますが
それらのデータベースの範囲でしか
条文を確認することはできません。
ここで
これらのリンクを利用するに当たっての
注意点 があります。
『衆議院 制定法律』に掲載されている
法律の本文は
制定当初の法律本文 であり
制定後に改正があった場合
「溶かし込まれた」改正法が
掲載されているわけではありません。
したがって
改正履歴のある法令 の
現在の法文 を知りたい場合は
「溶かし込み」の済んでいる
現行法令を掲載 している
『e-Gov法令検索』を利用したほうが
早くて無難です。
★ e-Gov法令検索 - 総務省
~ 先頭へ ~
法令沿革を調べる に当たって
手っ取り早い方法としては
法令沿革は六法に載っています。
『六法全書』のほか
法学部生や法科大学院生が使用している
”一般的な ”
『ポケット六法』や『デイリー六法』
または
『判例六法』や『模範六法』などです。
収録されている法令に限り
法令の題名の左に
法令沿革が掲載されています。
Webサイトのアクセス日は
2022年12月16日
~ 先頭へ ~
以上
読んでいただき
ありがとうございました。
法情報検索 各論 1 法令 2-1
前回は
官報と法令全書 について
お話をしました。
今回は
官報の発行形態と構成について
順を追ってお話しします。
官報の発行形態 は
次のようになっています。
これらは
同一日に発行されることもあり
ページ付けは
それぞれ別々になっています。
▲ 本紙 ・・・
目次が先頭にあり
法律・政令・省令・公告などが
掲載されます。
官報の本紙 は 32ページ と
決まっています。
▲ 号外 ・・・
官報本紙 の 32ページ を
越えたとき は 号外 が作られます。
号外も本紙と同様に
目次が先頭にあります。
なお
国会会期中 にのみ
官報号外 として発行される
本会議録 である
「 衆議院会議録 」,
「 参議院会議録 」 は
この官報号外とは別ものです。
▲ 特別号外 ・・・
内閣府等から要請があった時や
迅速な掲示が求められる場合には
平日,休日,昼夜を問わずに発行され
通常の号外とは別扱いになっています。
例としては
東日本大震災における
緊急災害対策本部の設置の告示
(平成23年3月11日〈号外特第6号〉)
新型コロナウイルス感染症
緊急事態宣言の公示
(令和2年4月7日〈号外特第44号〉)
令和3年9月1日に発足した
デジタル庁に関連する省令等や告示
(令和3年9月1日〈号外特第73号〉)
などがあります。
▲ 政府調達公告版 ・・・
官報に掲載される 政府
(政府,独立行政法人,国立大学法人,
大学共同利用機関法人,特殊法人)の
物品およびサービスの 調達 に関する
入札公告,落札者,随意契約など の 公示
といった情報が掲載されています。
政府調達公告 は
・ 調達手続の明確化
・ 一般競争入札の実施徹底
・ 調達情報提供の改善
を図るため
政府が自主的 に行っています。
日本が締結した WTO の
政府調達に関する協定によるものも含め
政府調達公告版として
本紙,号外とは別に
掲載されるものです。
▲ 目録 ・・・
法令の公布(下記の ①~⑪)に限り
前月分の目次 が掲載されます。
事項別・省庁別の順で構成 され
毎月中旬に1回発行されます。
▲ 資料版 ・・・
緑色の用紙が使われていて
各種白書や統計調査の概要 が
掲載されます。
1953年から
毎週水曜に発行されていましたが
2007年3月で終刊 になりました。
次に
官報を構成する項目と内容 です。
本紙および号外に掲載される
項目と掲載順序 は次のとおりです。
① 憲法 ・・・
憲法改正が行われる場合に
公布されます。
過去において 日本国憲法 は
昭和21年11月3日 の 官報号外 に
大日本帝国憲法 は
明治22年2月11日 の 官報号外 に
それぞれ掲載されました。
② 詔書 ・・・
天皇による国事行為のための文書 です。
国会召集,衆議院解散,衆参両議員の
選挙施行などが掲載されます。
(法令の制定改廃)
③ 法律 ・・・
国の唯一の立法機関(憲法 第41条)
である 国会 で
衆参両議院での可決など
所定の手続(憲法 第59条)を経て
制定 されます。
④ 政令 ・・・
憲法 第73条6号 に規定され
内閣 により
憲法・法律を実施するために
制定される 命令 です。
政令の制定改廃は
各行政事務の主任の大臣が行い
案を内閣総理大臣に提出した上で
閣議に諮られます。
(国家行政組織法 第77条)
⑤ 条約 ・・・
文書による国家間の合意 です。
外国語テキストが併記 されます。
行政取極(行政協定) については
外務省告示 の形式で掲載されます。
⑥ 最高裁判所規則 ・・・
最高裁判所 が制定する規則 で
憲法 第77条1項 に規定されています。
⑦ 内閣官房令・府令・
デジタル庁令・
復興庁令・省令 ・・・
・ 内閣官房令 …
内閣官房の主任の大臣たる
内閣総理大臣の権限として発する
内閣官房としての命令 で
(内閣法 第26条第3項)
平成26年の
国家公務員法等の一部を改正する法律
第4条 により制定された法形式です。
・ 府令(内閣府令) …
内閣総理大臣の発する命令
(内閣府設置法 第7条3項)で
内閣府本府所管の行政事務のほか
宮内庁,公正取引委員会,
国家公安委員会,金融庁,
消費者庁所管の行政事務についても
規定されます。
・ デジタル庁令 …
内閣総理大臣が発するデジタル庁の命令
(デジタル庁設置法第7条第3項)です。
・ 復興庁令 …
内閣総理大臣が発する復興庁の命令
(復興庁設置法第7条第3項)
です。
なお 復興庁 は
2012年(平成24年)2月10日から
2031年(令和13年)3月31日までの
期間を定めて設置 される予定です。
・ 省令 …
各省大臣が発する命令 です。
(国家行政組織法 第12条1項)
これらは行政立法 の一つで
政令よりも下位 にあります。
⑧ 規則 ・・・
会計検査院・人事院・
各種の委員会等が制定した規則 が
掲載されます。
(衆議院規則,
参議院規則に改正がある場合には
国会事項欄に掲載されます。)
⑨ 庁令 ・・・
海上保安庁令のみ が掲載されます。
⑩ 訓示 ・・・
上級行政機関が
下級行政機関に対して発する命令 で
通達は含みません。
⑪ 告示 ・・・
国家機関が決定した事項で
内容は多岐にわたります。
行政取極 については
外務省告示 として
こちらに掲載されます。
行政取極の場合
外国語テキストの併記はありません 。
(広報的事項)
⑫ 国会事項 ・・・
衆議院規則及び参議院規則の改正,
議事日程,議案関係,人事などが
掲載されます。
衆参両議院の規則制定権 は
憲法 58条2項 に規定されています。
⑬ 人事異動 ・・・
中央省庁(課長級)・都道府(部長級)
・政令市(局長級)などの
人事異動が掲載されます。
⑭ 叙位・叙勲 ・・・
位階・勲等に叙せられた者の氏名と
その位階・勲等が掲載されます。
⑮ 褒章 ・・・
褒賞を授与された者の氏名と
その褒賞の種類が掲載されます。
⑯ 皇室事項 ・・・
親任式,行幸啓関係,宮中諸儀などが
掲載されます。
⑰ 官庁報告 ・・・
官庁事務に関する事項,
国家試験合格者,地価公示,
公聴会などが掲載されます。
⑱ 資料 ・・・
閣議決定および閣議了解事項や
白書類を除く各省庁の各種報告
および資料(統計など)が
掲載されます。
⑲ 地方自治事項 ・・・
都道府県等からの報告事項などが
掲載されます。
(公告紙的事項)
⑳ 公告 ・・・
・ 官庁 …
公示送達,行政処分(許認可関係など),
国家資格保有者の懲戒処分,免許取消,
押収物還付などが掲載されます。
・ 裁判 …
相続,公示催告,失踪,破産,免責,
会社更生などが掲載されます。
・ 特殊法人 等
(独立行政法人 等の公告)…
財務諸表,組織解散等,
国家資格保有者の登録・抹消等,
所管事項の承認・認定などが
掲載されます。
・ 地方公共団体 …
地方償還債,行旅死亡人,
無縁墳墓等改葬などが掲載されます。
・ 会社その他 …
組織変更,合併,解散などが
掲載されます。
・ 会社決算公告 …
会社法
第939条第1項第1号又は2号 により
会社は公告方法
( 官報に掲載する など )を
定款で定めることができます。
また
官報 や
時事に関する事項を掲載する日刊新聞
(日本経済新聞など)といった
紙媒体による公告では
貸借対照表の要旨の公表のみでよい
とされています。
(大会社の場合は
貸借対照表および損益計算書)
(会社法第440条第2項)
★ インターネットからの
無料での官報検索と閲覧
制限はありますが
官報は無料でWebサイトから
閲覧できます。
無料のWebサイトには
それぞれ一長一短ありますが
上手く組み合わせながら
資料にアクセスすると効果的です。
ただし
内容の正確性を問う場合は
印刷物の官報での確認が基本です。
ここでは
無料で閲覧のできる
官報のWebサイトを紹介します。
★ インターネット版「官報」
- 国立印刷局
直近30日間分の官報情報
(本紙,号外,政府調達等)は
全て無料閲覧できます。
また
平成15年(2003年)7月15日以降の
法令(告示を除く)も
PDFデータで無料閲覧ができます。
ただし
検索機能はありません。
★ 官報目次検索
- 全国官報販売協同組合
1996年6月3日以降の
官報の 目次検索のみ ができます。
★ 政府公共調達データベース
- JETRO〈日本貿易振興機構〉
官報掲載の
国・独立行政法人の調達情報を
収録しています。
公示の種類,官報掲載日,
調達機関,調達機関所在地,
品目から検索できます。
Webサイトのアクセス日は
2022年12月15日
~ 先頭へ ~
以上
読んでいただき
ありがとうございました。
法情報検索 各論 1 法令 2
~ 主要リンク ~
★ インターネット版「官報」
- 国立印刷局
★ 官報目次検索
- 全国官報販売協同組合
国会や内閣等で制定された法令は
公布されることにより
国民が知りうる状態になります。
その後
法律の施行期日の場合は
原則としては
公布の日から
起算して20日を経過した日から
施行されますが
附則で定められている場合や
政令で施行日を定めることを
委任したような場合には
その施行日から施行されて
効力が発生します。
(法の適用に関する通則法 第2条)
施行により
法令の効力を発生させるには
公布の手続を必要とします。
( 国会法 第65条1項,第66条 )
法令の公布方法は
官報に掲載されます。
もっとも
これには法的根拠がありませんが
最高裁判例により
「法令の公布は官報をもってする旨を
定めていた
明治40年勅令6号公式令の廃止後も
特に国家がこれに代わる
他の適当な方法をもって
法令の公布を行うものであることが
明らかな場合でない限りは
法令の公布は従前通り
官報をもって行われるものと
解するのが相当である」
としています。
( 昭和32年12月28日
最高裁判所大法廷判決
昭和30年(れ)第3号
刑集11巻14号3461頁 )
また
公布時期についても
最高裁判例では
「公布の時期は印刷局本局
又は東京都官報販売所における
官報掲示時刻である
午前8時30分である」
としています。
( 昭和33年10月15日
最高裁判所大法廷判決
昭和30年(あ)第871号
刑集12巻14号3313頁 )
これは
国民が官報を最初に
閲覧できる状態になった時に
公布があったとされ
地方では未だ閲覧・購入が
可能でなかったとしても
東京で既に閲覧・購入できる状態に
なっている場合には
一般国民が
知ることのできる状態に置かれたと
解されるので
その時点で
公布があったとされたものです。
これらの最高裁判例により
法令の公布方法と公布時期の考え方は
定着しています。
そもそも官報には
大陸型 と 英米型 があり
フランスが始まりの
日本やドイツを含めた大陸型では
法令はすべて官報に登載して公布し
これをもって施行の要件としています。
一方の英米型は
アメリカでは
議会で可決した法案に
大統領が同意の署名をすることにより
法律が確定し
それをもって拘束力も発生します。
イギリスの場合では
上院事務総長の手により
国王の同意が
法律の原本に記入されて
文書化されたものが
議会で発表されることで
法律の効力が生じます。
このように
英米型では
法律の施行に当たり
官報掲載を要件としません。
官報の公布時期が問題となった
最高裁判例は
「覚せい剤取締法の
一部を改正する法律」が
昭和29年6月12日に公布
( 同時に施行 )されたところ
覚せい剤取締法による不法所持で
罪に問われた被告人が
広島市においては
改正覚せい剤取締法が掲載された
官報を購入できたのは翌日の13日で
犯行当時に
公布・施行されてはおらず
犯行は当該法改正前に行ったもので
改正後の法律を適用した処罰は
おかしいとして上告したものです。
結果として
犯行が行われたのは
印刷局官報課又は東京都官報販売所に
官報が届いた(閲覧可能となった)
午前8時30分より後の
同日の午前9時頃であったため
新法が適用されて
上告棄却となりました。
大陸型においては
距離により
官報の届く時間に差が生じるため
法律の効力発生の時期(時点)が
異なることになりますが
日本では判例により
午前8時30分としています。
これは
官報が届くまでの距離と時間の基準を
東京の
印刷局官報課と官報販売所に置き
そこへ届くことにより有効とした
大陸型の到達主義を
とっているかのようにも見えますが
効力発生時期の時間的な基準を
午前8時30分に
閲覧することができたとして
一律に定めているところは
到達主義の欠点を補完した
到達したとみなす公示送達的な
発信主義を
とっているとも考えられます。
もっとも現在では
インターネットなどによる
通信技術の発達によって
遍く情報の取得が可能となり
Webサイトからも
インターネット版「官報」 が
閲覧可能になったことから
おのずと発信主義の採用となり
官報の届くまでの
場所的な距離と時間の差異による
効力発生時期の基準論争は
過去の話しとなったのでは
ないでしょうか。
官報は国が発行する機関紙で
原則として行政機関の休日を除き
毎日発行される日刊紙で
紙面の大きさは
日本工業規格A4判です。
官報の形式および内容については
昭和48年3月12日付けの
事務次官等会議申合せにおける
「官報の編集について」によって
規定されています。
創刊は 明治16年(1883年)7月2日で
現在に至ります。
官報から公布法令を抜粋して
月単位で,日にち(号数)順
各官庁別に再編集されたものとして
法令全書があります。
法令全書は月刊で
年に一度,索引号として
『総目録』が発行されます。
古い六法や
旧法令集にも収録されていない法令を
調査する場合には
法令全書を使うことになりますが
使い勝手の良いものとは言えず
慣れないと使いにくいものです。
~ 参考文献 ~
すぐに役立つビジネス情報源
官報の徹底活用法 / 牧潤二(1994)
官報百年のあゆみ / 大蔵省印刷局 (1983)
~ 参考Webサイト(2022年12月4日 閲覧)~
官報とは - 全国官報販売協同組合
官報について - 独立行政法人 国立印刷局
官報( 法律の「窓」)- 参議院法制局
インターネット版「官報」- 国立印刷局
官報目次検索 - 全国官報販売協同組合
~ 先頭へ ~
以上
読んでいただき
ありがとうございました。
一般意味論と裁判のはなし
嘘も方便 という言葉があります。
これは我々の日常生活において
物事を円滑に進めるための
コミュニケーションの手段として
築かれてきたことによる格言で
気の利いた嘘は
時と場合によっては必要とされます。
僕は時代劇が好きで
加藤剛 が演じる 大岡越前 も
好きな時代劇の一つです。
ドラマ内で大岡忠相が
度々口にする台詞で
「 法を曲げることはできぬ 」と
言います。
これは劇中で
たとえ父上(大岡忠高)であろうが
上様(将軍吉宗)に対してであろうが
同様の態度をとっています。
(この二人が駄々っ子みたいで
よく騒動を起こすんですよ!)
もしそれだけならば
堅物で石頭の
気の利かない役人ですが
そこは頭の柔軟な大岡忠相。
史実においても
町奉行(旗本)から1万石の大名にまで
出世した切れ者だけあって
事態が良い結果にならないことが必定
といった場面において
忠相の機知に富んだ名裁きで
丸く収めて “ 一件落着! ”
めでたし!めでたし!となります。
“ 法は曲げぬ ” が
ここで忠相が
頓智 により都合よく
言葉巧みに曲げている のは
“ 事実 ” です。
この『 大岡裁き 』では
事実を曲げること = 嘘 が
良い結果をもたらしています。
しかし
言葉は諸刃の剣であり
使い方によっては
禍をもたらすこともしばしば です。
そこで
こんなことを考えてみたいと思います。
アルフレッド・コージブスキー が
提唱した
『 一般意味論 』 において
次のような格言があります。
①・・・
地図は現地ではない。
②・・・
地図は現地のすべてを
表現していない。
③・・・
地図の地図を作ることができる。
地図や現地は例えなので
これらの単語を
次のように置き換えて
その意味を考えてみます。
現地 = 事実
地図 = 言葉
言葉は文字として
文書化もできますので
その意味も含めます。
まず
① の
『 地図は現地ではない 』から
いってみましょう。
裁判で被告人に
死刑の判決が
言い渡されたとします。
犯罪捜査モノのドラマ を観ていると
劇中に犯行のシーンが出ます。
あれは 『 神 』の目 です。
裁判官は 『 神 』ではなく人であり
事件当時の現場は
見ることができません。
起訴状や供述調書,尋問や自白などの
文書や言葉によって
判断するしかないのです。
事実があったとして
死刑を言い渡したものの
その後に
そのような事実はなかったとして
冤罪になるケースもあります。
言葉(文書)は
事実とは限らないのです。
次に②の
『 地図は現地のすべてを表現していない 』
については
地図は
紙などに書かれたときに
現地の空間に対する
においや音,温度などの
鋭敏な感覚から
感じ取られるものや
その他の
現地の多くの情報が失われるように
現実のものを言葉や文書にすることで
多くの事実が抜け落ちます。
まして
“ こいつが犯人 ” ありきの
バイアスのかかった
検察官の作成文書であったら
さらに真実は見えなくなります。
対人関係についても
『 あいつは変な奴だ 』
という人物評を聞いたので
そう思っていたが
実際に会ってみると
他人の評価と全く違っていた。
ということがあります。
これは
その人の全てが
わかるはずがありません
その人の全ての情報を
言葉に表すことは不可能です。
言葉に表すことができるのは
切り取った
わずかな部分でしかないのです。
それに加えて
ステレオタイプなどが入ってきて
さらに事実をゆがめます。
③ の
『 地図の地図を作ることができる 』
については
厚生労働省 の 村木厚子 女史 の
『 障害者郵便制度悪用事件 』 で
検察官の証拠改ざんがあったように
事実ではない
架空の文書(言葉)をもとに
文書(言葉)を作れば
あたかも事実であるかのような
虚構の産物ができます。
この事件は
魑魅魍魎が跋扈する政治がらみのもので
背後に大物政治家が絡んでそうですが
古往今来,権力者の周辺には
常に讒言が飛び交っているものです。
一般のコミュニティにおいても
ありもしない噂を立てて
それが伝播していき
その人の名誉や心に
傷を負わせたとしたら
これほど卑劣で
むごいことはありません。
村木女史の場合は
弁護士が敏腕であったこともあり
無罪となりました。
しかし
敏腕な弁護士も
『 神 』ではない ので
事実(現地)は
見ることはできません。
言葉によって立てられた論理を
巧みに崩しているにすぎません。
このように
言葉は事実でないものを
作り出すことができます。
そして
言葉の言葉が作り出され
それが勝手に動き出します。
すると
紛争を生み出し
戦争を起こすこともあります。
・ 満州事変の『 柳条湖事件 』
・ ベトナム戦争の『 トンキン湾事件 』
・ 『 大量破壊兵器 』とイラク攻撃
など
歴史をみれば明白です。
過激な表現になりますが
『 言葉や論理で人を殺すことができます 』
そうですよね
でっち上げで戦争を始めたり
事実でない言葉により
もっともらしい論理を立てて
死刑判決が出される場合も
ありますから。
裁判に携わる方々
そして
権力を持っている方々は
『 言葉や論理で人の権利を奪い
剥ぐことができる 』
ということを
特に頭に入れておいてほしいと思います。
その一方で
冒頭の『 大岡裁き(大岡政談) 』も
フィクションで
加藤剛 演じる 聖人君子 な 大岡忠相 も
作られた虚像です。
こういった
盛られたり曲げられた
史実や伝記なども
“ 演義 ” として伝えられ
それが
大衆娯楽としての小説や講談,
映画やテレビドラマとなり
文化の発展 につながったことは
“ 嘘により曲げられた事実 ” が
効果をもたらした といえます。
嘘( 言葉 )は使い方によって
“ 良薬 ” にもなれば “ 猛毒 ” にもなる
というお話でした。
最後に
この 『 一般意味論 』 は
コミュニケーションの方法 や
NLP( 神経言語学的プログラミング ) という
心理療法 にも応用されています。
ここでは
それらについても解説されている
実用的な
『 選択理論心理学 』 の本を
紹介します。
★ よりよく生きるための心理学
- 9つの心理学と選択理論 / 磯部隆
他に『 認知心理学 』から
「言語の力」について書かれた本
そして『 一般意味論 』の古典的名著と
末弘厳太郎 博士の名著を
紹介します。
★ 言語力 - 知と意味の心理学
/ 藤澤伸介
★ 思考と行動における言語 - 原書第4版
/ S.I.ハヤカワ:著,大久保忠利:訳
★ 嘘の効用 - 新装版 / 末弘厳太郎
以上
読んでいただき
ありがとうございました。
法情報検索 各論 5 人物 1
★ 裁判官検索
★ 弁護士検索
司法試験合格者 や
司法修習修了者
および
検事二級( 東京地方検察庁検事 ) や
判事補の任官者 の
問い合わせが多くあります。
それらについて
無料の官報閲覧サービス で
検索する場合は
◆ 官報 インターネット版
- 国立印刷局
◆ 官報検索!
- 官報を全文検索できる無料サービス
などのWebサイトがありますが
閲覧ができるのは
直近30日間分 のみですので
公表時期を見計らって
検索するとよいでしょう。
“近年の概ねの”
公表時期は次の通りです。
● 司法試験合格者
概ね
9月末から10月初めに公表。
● 司法修習生の修習を終えた者
概ね
1月初旬から中旬に公表。
● 判事補任命
概ね
1月中旬に公表。
● 検事二級
( 東京地方検察庁検事 )任命
概ね
12月末から1月初めに公表。
~ 先頭へ ~
有料の
『 官報情報検索サービス 』 ならば
日付を設定して
検索キーワードに姓名を入力するなどの
検索方法があります。
オーソドックスな調査法は
紙媒体の官報を官報販売所で購入するか
図書館 を利用して
紙媒体の官報に当たるか
「官報情報検索サービス」の
契約があれば
そちらを利用するとよいでしょう。
国家試験合格者 について
官報公告される試験 については
法令にその旨の記載 がされています。
例えば
司法試験法施行規則 第6条
弁理士法施行規則 第11条
税理士法施行規則 第7条
などには
氏名を官報で公告
とあります。
また
社会保険労務士法施行規則 第8条
情報処理の促進に関する法律施行規則
第8条2項 など では
受験番号を官報に公告(公示)
とあります。
~ 先頭へ ~
弁護士登録の有無 については
官報ではなく
日本弁護士連合会の弁護士検索
『 弁護士情報提供サービス ひまわりサーチ 』
にて確認してください。
▲ 弁護士情報提供サービス
- ひまわりサーチ( 日本弁護士連合会 )
https://www.bengoshikai.jp/
~ 先頭へ ~
裁判官の検索 については
次のサイトから
裁判官名,所属,異動履歴
その他に
退官した裁判官 についても
検索ができますので
ご案内します。
▲ 裁判官検索 - 新日本法規WEBサイト
https://www.sn-hoki.co.jp/judge_list/
また
裁判所のWEBサイトでも
東京地裁 および 東京簡裁 における
公開裁判を開廷する曜日と使用法廷
および
担当裁判官名 が掲載されています。
▲ 担当裁判官一覧 - 裁判所
http://www.courts.go.jp/tokyo/saiban/tanto/index.html
▲ 東京簡易裁判所 担当裁判官一覧 - 裁判所
http://www.courts.go.jp/tokyo-s/saiban/tanto/kani_tanto/index.html
~ 先頭へ ~
そのほか
司法書士,弁理士,税理士 等の
登録についての検索 は
Link【立法関係,官報,弁護士等,試験,大学院,求人 等】
- 弁護士・裁判官 等 検索 に
リンクを張りましたので
そちらもご利用ください。
Link【立法関係,官報,弁護士等,試験,大学院,求人 等】
- 弁護士・裁判官 等 検索
https://kissysuzuki007.blogspot.jp/p/blog-page_3.html
~ 先頭へ ~
冊子体 で探す場合は
弁護士であれば
『 全国弁護士大観 』
裁判官であれば
公人社 から出版の
『 全裁判官経歴総覧 』 が
定番でしょう。
ただし
『 全国弁護士大観 』 は
以前は 法律新聞社 から
出版されていましたが
2020年11月30日付で
自己破産の準備に入ったとの
報道がありました。
法律新聞社が自己破産申請へ
「全国弁護士大観」など出版
- 弁護士ドットコムタイムズ
( 閲覧日 2022.11.30 )
現在は アシストワークス で
販売を引き継いでいるようです。
( 2022.11.30 時点 )
~ 先頭へ ~
『 全裁判官経歴総覧 』 については
2010年の第5版
『 全裁判官経歴総覧 期別異動一覧編 』 を
最後に出版が止まっています。
なお
『 全裁判官経歴総覧 』 は
1998年 の 第3版 では
第1分冊 は
「 期別異動一覧編 」 で
第2分冊 は
「 関与判例・著作編 」 と
2分冊になっていましたが
第4版 と 第5版 では
「 期別異動一覧編 」のみ が
出版されています。
その他には
裁判官の人物評が発刊当時話題を呼んだ
『 裁判官 Who's Who 』という本も
池添徳明 著
『裁判官Who's Who』刊行委員会 編 で
現代人文社 から出版されていました。
このシリーズは
『 東京地裁・高裁編 』 と
続編の
『 首都圏編 』 の
2冊が出版されましたが
以後続刊,改訂がないのが残念です。
~ 先頭へ ~
以上
読んでいただき
ありがとうございました。
用語の話 2 司法試験受験界の隠語
「 法律文献・法令名の略称 」 の回で述べた
法律編集者懇話会 で検討された
法律文献等の出典の表示方法 に
基づいた略称は 公式に近い基準 です。
翻って
公式的ではない
司法試験受験界の隠語 があります。
隠語 とは
その集団の仲間内で通用する
専門用語です。
有名な例を挙げると
刑事 = デカ
これは明治時代の頃の刑事が
「 角袖 」を着ていたためで
「 カクゾデ 」を縮めて
逆さに読んで「 デカ 」となり
犯罪者連中から
そう呼ばれていたという 隠語 です。
他の業界用語でも
六本木 = ギロッポン とか
何かと逆さにしますよね!
それから各業界で
セールスマン が使う
“ てんぷらする ” という用語があります。
これは
架空の契約 や
取り消す目的の契約 のことで
“ でっちあげる ” ことから
“ てんぷら ” になったと言われます。
その他には
タクシー業界 で 大日本帝国 といえば
大手の 大和,日本交通,帝都,国際 を
意味します。
大学入試に携わる
予備校や受験雑誌等の業界ならば
GMARCH ,成成明学獨國武,日東駒専 ,
大東亜帝国,関東上流江戸桜,
関関同立,産近甲龍,摂神追桃 など
といった
隠語 があることは
もうお馴染みですよね。
そこに入る大学名や
分類のしかたについては
多様な意見があり
議論に際限がないので
ここでは触れません。
では本題の
司法試験受験界の隠語 に入る前に
日常,法律に携わっている業界でも
異なる世界があるということを
簡単にお話ししましょう
法律に携わる者の世界には
三つの世界があると言われています。
一つ目 は
裁判官,検察官,弁護士や
役所,企業の法務部などの
法律をツールとして日常扱っている
実務 の世界
二つ目 は
法律を学問として研究している
学術 の世界
三つ目 は
特に司法試験に合格するために
構築された方法論を探究する
司法試験受験 の世界です。
例えば
“A” という考え方が
判例も固まっていて
実務でも主流の考えである。
一方
学説では古典的な “A” 説よりも
“B” という考え方が論理性に優れ
現在は主流で
学術の世界では通説となっている。
しかし
司法試験受験界においては
“C” という考え方が
論文試験を通るために合理的であり
それをレクチャーした
予備校講座や参考書も豊富に揃っていて
現在のトレンドになっている。
いわゆる 受験通説 というものです。
ただ
法科大学院の発足後は
実務的な教育にシフトしているため
論文試験対策において
手形小切手法 での
二段階創造説
権利移転行為有因論 か
交付契約説 なのか。
あるいは
民事訴訟法 での
新訴訟物理論 か
旧訴訟物理論 なのか。
さらには
刑法 においても
団塚(団藤・大塚ラインの考え方)か
大谷説 なのか。
あるいは 前田説 なのか。
など
各々どの説を用いて答案構成するのか。
といった議論も
聞こえてこなくなり
そういった需要に応える
参考書もなくなりました。
話が少々脱線しますが
当時のその辺りの会話は
水道橋の『 丸沼書店 』に行くと
よく聞こえてきました。
『 丸沼書店 』には二つ入口があって
右側の入口には
法学系の本や法律系資格の参考書が並び
左側の入口には
経済学や税務,会計学系の本が
陳列されていて
右の法学書側はいつも混雑していて
左の経済学,商学書側は
いつもガラガラでした。
最近は行っていませんが
たぶん今でも
その光景は変わらないんでしょう。
その昔は
神保町の古書店街にあった
『 巌松堂書店 』なんかにも
法律系の古書や参考書,カセットなどの
掘り出し物がありました。
当時
『 法曹同人 』から出版されている
司法試験対策の参考書や
早稲田セミナー(早稲田経営出版)から
出版されていた
『 司法試験解法マニュアル 』が
セットで売られていたので
買った記憶があります。
この 司法試験解法マニュアル という本は
司法試験受験の参考書にすぎないのですが
本の装丁は
簡易なペーパーバックではなく
外箱付きのハードカバーで
新品で買うと
基本書 と呼ばれる
法律学の体系書並みの
結構お高い値段だったんですよね!
『 巌松堂書店 』も
ビルは残っていますが
書店は廃業してしまったようで
現在は『 澤口書店 』になっています。
話を本題に戻して・・・
このように特に司法試験受験界は
かなり特殊で
コアでマニアックな世界であり
先程出した 団塚 のような
数々の “ 隠語 ” があります。
司法試験に携わったり
法学系の学問を修めた方には
当然通じますが
これを図書館や書店で尋ねられると
専門外の司書や書店員は
戸惑ってしまうことがあります。
時々所蔵の問い合わせで受ける
司法試験受験生の隠語 について
一例を挙げてみましょう。
もちろん
目録からその単語で検索しても
出てきませんよ・・・。
まず
古くから使われている
隠語で
『 ダットサン民法 』 と呼ばれる
本があります。
これは
『 民法 』 のタイトルで
勁草書房 から出版されている
( 発刊当時は 一粒社 から出版 )
我妻榮,有泉亨,川井健 共著 の本で
全3巻 あります。
これは
小型でパワフル
そして小回りが利くところから
当時の車に例えられた通称です。
この本の通称は
法律系に携わる方なら
広く認知されている用語です。
これは
“ 我妻先生の民法 ” といっても
同じく 勁草書房 から出ている
『 民法案内 』や
岩波書店 の『 民法講義 』 など
数々の著書がありますから
それらと区別するための
通称名であると考えられます。
ちなみに
現在出版されている『 民法案内 』は
我妻先生の没後に
川井健 先生 などによって
補訂・補筆されているので
川井テイスト の
『 民法案内 』になっています。
我妻テイスト に浸りたければ
補訂されていない『 民法案内 』
( 特に 第1巻「私法の道しるべ」)を
お読みください。
ところで
我妻先生の『 民法案内 』 は
元々は 日本評論新社 から
出版されたものですが
同社からは
『 憲法案内 』 も出版されていました。
( 中村哲 著 1957年 )
中村哲(ナカムラ アキラ)先生は
美濃部達吉 門下生で
法政大学総長や参議院議員も
歴任された方です。
『 民法案内 』や
藤木英雄 先生の『 刑法案内 』と同じく
勁草書房から
復刊されて欲しいものですが
『 民法案内 』や『 刑法案内 』に比べて
認知度が低いようで
古書サイト や amazon でも
中々出ないレアな本です。
勁草書房から
『 民法案内 』,『 刑法案内 』が出ていて
『 憲法案内 』がないのは
少し解せぬ感じがするのは
僕だけでしょうか?
次に
周知されている隠語ですが
各業界で違う認識をされている本 の
一例を挙げます。
『 赤本 』,『 青本 』 は
聞いたことがあると思います。
『 赤本 』について
大学受験生や受験予備校関係者などは
世界思想社教学社 から出版されている
大学・学部別の大学入試過去問題集 が
思い付くと思います。
他方
弁護士等の法律実務に携わっている方は
日弁連交通事故相談センター 出版の
民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準
と捉えるでしょう。
( 通常は 「 赤い本 」 と呼ばれます )
余談として
出版界で「 ゾッキ本 」と呼ばれる
本があります。
「特価本」,「バーゲンブック」,
「自由価格本」として
売られているところを
見たことがあるかと思います。
これは
再販売価格維持制度から
除外されたことを示すために
本の「地」などに赤マジックなどで
線が引かれているので
「赤本」の俗称があります。
『 青本 』ついてはどうでしょう。
赤本と同じく大学受験生などは
駿台文庫 出版の
大学入試問題の過去問題集 を
思い浮かべるでしょう。
法律実務に携わっている方は
日弁連交通事故相談センター 出版の
交通事故損害額算定基準
のことと捉えるでしょう。
司法試験受験生の間では
山口青本 とくれば
刑法 山口厚 著 / 有斐閣
和之青本 ならば
立憲主義と日本国憲法
高橋和之 著 / 有斐閣
でしょう。
でもこれが
弁理士試験受験界 を含む
弁理士 や 知的財産権を扱う業界 で
青本 というと
工業所有権法( 産業財産権法 )
逐条解説
特許庁 編 / 発明推進協会
を指します。
ちなみに
官公庁 や 医歯薬系の業界 など
各業界に
赤本,青本,黒本など
色の付いた俗称をもつ資料があります。
例えば 官公庁 では
ぎょうせい の「 現行日本法規 」や
(法務省 編集)
第一法規 の「 現行法規総覧 」
(衆議院法制局,参議院法制局 編集)の
現行総合法令集を
表紙の色から「 黒本 」と呼びます。
これらは
ロースクールの図書室では
尋ねられても見当が付きますが
総合図書館や公共図書館で
質問を受ける際には確認が必要です。
同じく
総合図書館や公共図書館の場合で
確認が必要なお尋ねとして
「 イトウマコト 」 先生 の本ありますか
との質問です。
法学系 では
周知のとおり
司法試験等の受験指導校である
伊藤塾 の “ スーパー講師 ”
伊藤真 先生 なのか
あるいは
東大名誉教授 で 民事訴訟法学者 の
伊藤眞 先生 なのかを尋ねる場合で
“ 学者 の ”とか
“ 東大教授 の ” で通じますが
これが
総合図書館や公共図書館の場合で
問い合わせを受ける場合は
もう一人の重鎮 である
“ イトウマコト 先生 ”
東大名誉教授 で
マルクス・宇野経済学者 の
伊藤誠 先生 のことも
頭に入れておかなければなりません。
マル経を勉強している経済学部生や
マル経・宇野経の研究者からは
そういった認識で尋ねてきます。
特に左派系の大学では
こちらの系列の授業や研究者が多く
関連資料も多く収集しています。
それから他にも
筑波大学名誉教授 で
ドイツ語 言語学者 の
伊藤眞 先生 もいらっしゃいます。
( 独和辞典などの
執筆・監修がありますので
法学部で独語を選択している学生には
知られていると思います。)
ですので
“ 学者 の ”とか
“ 東大教授 の ” というのは愚問で
“ 伊藤塾 の ” とか
“ 民訴法学者 の ” とか
“ マルクス経済学者 の ”
といった確認が無難です。
民訴の 伊藤眞 先生 に習った方ならば
“ 蝶ネクタイの・・・ ”
といえばわかりますが!
以前に地下鉄内で
民訴の 伊藤眞 先生 を
お見かけした事がありますが
先生のことを知らない人が見ても
靴やオーダーメイドと思われるスーツが
高級仕立てと一目でわかり
その着こなしからも
明らかに他の乗客とは別格の
オーラを感じました。
それから
伊藤塾の 伊藤真 先生 についても
僕は東京の者なので
旧司法試験の論文試験の会場は
早稲田大学で行われていましたが
当時,受験者だった自分が
論文試験当日に会場へ向かうと
マコト先生が
早大の門前に立っていました。
それを見たときに
背が高くカリスマ性を感じたことを
懐かしく覚えています。
伊藤塾 の 伊藤真 先生 が出たところで
『 シケタイ 』 についても
触れておきます。
法学系図書館でなくても
公務員受験者のために
『 シケタイ 』 を所蔵している
大学図書館もあります。
シケタイ とは
弘文堂 から出版されている
『 試験対策講座シリーズ 』のことで
憲法など 全15巻 が出版されています。
その他に
業界で認識の異なる本 としては
『 ヤマケイ 』 の本です。
一般的には
美しい写真集が売りの
山岳系雑誌を中心とした出版社
『 山と溪谷社 』 の本です。
僕はこの出版社の動植物を写した
山溪ハンディ図鑑シリーズ や
通称 “ 弁当箱 ” と呼ばれ
重量のある
山溪カラー名鑑シリーズ を
愛用しています。
写真の美しさと
わかりやすい解説で
非常に良い図鑑です。
翻って
司法試験業界の場合はというと
京都大学教授の民法学者
山本敬三 先生 の
・民法講義I 総則
・民法講義IV-1 契約
山本敬三 著 / 有斐閣
を指すことが多いです。
その他で主な隠語を挙げますと
『 サクハシ 』
・行政法 櫻井敬子,橋本博之 共著
/ 弘文堂
『 宇賀レインボー 』
・行政法 宇賀克也 著 / 有斐閣
これは
同じ有斐閣から出ている
宇賀克也 先生の
・行政法概説( Ⅰ~Ⅲ )
と区別するためです。
『 潮見・黄色 』
ライブラリ法学基本講義シリーズ
・基本講義債権各論Ⅰ
契約法・事務管理・不当利得
・基本講義債権各論Ⅱ
不法行為法
潮見佳男 著 / 新世社
『 土田労働法・黄色 』
ライブラリ法学基本講義シリーズ
・基本講義労働法
土田道夫 著 / 新世社
これは
・労働法概説 土田道夫 著 / 弘文堂
と区別するためです。
『 赤白本 』
・会社法 高橋美加 [他] 著 / 弘文堂
『 憲法・四人組 』
・憲法Ⅰ
・憲法Ⅱ
野中俊彦,中村睦男,高橋和之,
高見勝利 共著 / 有斐閣
『 リークエ 』
有斐閣 から出版されている
・LEGAL QUEST
( リーガルクエスト )シリーズ
【 注意 】
検索機 によっては
カタカナで
リーガルクエスト と
入力してもヒットせず
LEGAL QUEST と
入力しなければ
ヒットしないものもあります。
といったところで
際限がありませんが
書店員や司書の方などで
こんな問い合わせを受けたときは
思い出してください。
~ 先頭へ ~
以上
読んでいただき
ありがとうございました。